事業計画

新規事業コンサルの費用と料金体系:見積もりの内訳と比べ方

新規事業のコンサルティングを検討するとき、最初に気になるのが費用です。ところが「新規事業コンサルはいくらか」という問いには、一つの答えがありません。市場調査だけを頼むのか、顧客検証まで一緒に進めるのか、PoCやMVPの開発まで含めるのかで、必要な人数も期間もまったく違うからです。

この記事では、金額の「相場」を当てにするのではなく、見積もりを正しく読み、複数社を公平に比べるための考え方を整理します。記事の最後には、zigyo.aiの支援メニューの料金も載せています。

費用が決まる3つの要素

コンサルティングの費用は、おおむね次の3つの掛け算で決まります。

  1. 範囲:何を頼むか。調査、事業計画、顧客インタビュー、PoCの設計、開発、営業立ち上げなど
  2. 体制:誰が何人、どのくらいの稼働で関わるか
  3. 期間:何週間、何か月続けるか

見積もりの金額だけを見ても、この3つが分からなければ高いか安いかは判断できません。「月額○万円」と書かれていても、週1回の定例会議だけなのか、担当者が週の半分をその案件に使うのかで、中身は大きく変わります。

料金体系の種類

新規事業の支援でよく見られる料金体系は、次の4つです。どれが良いというより、頼む内容に合うかどうかで選びます。

料金体系 向いている依頼 注意点
プロジェクト型(一括) 期間と成果物が決まっている依頼。事業計画の見直し、顧客検証など 範囲の外の作業は追加費用になる。範囲の定義が曖昧だと揉めやすい
月額型(継続) 立ち上げ後の改善、定例での相談、営業やKPI管理の伴走 何をどれだけやるかが月ごとにぼやけやすい。稼働量と報告内容を決めておく
時間単価型 単発の相談、スポットでのレビュー 総額が読みにくい。上限時間を決める
成果報酬型 売上や採用など、成果を数字で測れる一部の業務 新規事業は成果が出るまで時間がかかり、成果の定義も難しい。基本料と組み合わせることが多い

新規事業の初期は「何が分かれば次に進めるか」がまだ決まっていないことが多く、成果報酬だけで引き受けてもらえる場面は多くありません。検証の段階はプロジェクト型、事業化後の改善は月額型、というように段階で使い分けるのが現実的です。

見積もりの内訳で確認すること

見積もりを受け取ったら、少なくとも次の点を確認します。書かれていない項目は、依頼する前に質問して書面に残しておきましょう。

  • 成果物:最後に何が手元に残るか(報告書、事業計画書、稟議資料、インタビュー記録、試作品など)
  • 作業の範囲と、含まれないもの:インタビューの対象者集め、謝礼、広告費、開発、デザインなどが含まれているか
  • 体制:担当者の役割と稼働の目安。提案時と実際の担当者が変わらないか
  • 進め方:定例会議の頻度、途中での判断の場があるか
  • 追加費用が発生する条件:範囲を変えたいとき、期間が延びたときの扱い
  • 成果物の権利:作った資料や試作品を自社で自由に使えるか
  • 支払い条件:着手時・中間・完了時など、いつ払うか

特に「含まれないもの」は重要です。顧客検証の見積もりに、インタビュー対象者の募集や謝礼、LPの広告費が入っていないことはよくあります。同じ「顧客検証」でも、これらを含むかどうかで総額は大きく変わります。

複数社を比べるときは条件を揃える

複数の会社から見積もりを取ると、金額の差に目が行きがちです。しかし、範囲や成果物が揃っていなければ、比べているのは別々の商品です。

比べる前に、依頼内容を1枚にまとめて全社に同じものを渡すと、見積もりの前提が揃います。書いておくと良い項目は次のとおりです。

  • 事業の概要と、いま検討している段階
  • 今回の支援で決めたいこと(例:PoCに進むかどうかを経営会議で判断したい)
  • 期限(社内の会議日程など)
  • 自社で用意できるもの(担当者の時間、既存の資料、顧客との接点)
  • 予算の上限(決まっていれば)

開発を含む依頼であれば、MVP開発を外注するときの発注先の選び方と見積もりの読み方も参考になります。zigyo.aiでは、比較に使えるMVP見積依頼書(RFP)テンプレートを無料で配布しています。

費用を抑える頼み方

費用を抑える一番の方法は、頼む範囲を「今回の判断に必要なこと」だけに絞ることです。

  • 全部を一度に頼まない:事業計画から開発まで一括で頼むより、まず論点整理や顧客検証だけを頼み、その結果を見て次を決めるほうが、無駄な作業が減ります
  • 自社でできることは自社でやる:顧客候補への声かけ、社内資料の整理、社内調整などは、自社で持つほうが早く安いことが多いです
  • 判断基準を先に決める:何が分かれば進む・止めるかを最初に決めておくと、調べすぎ・作りすぎを防げます
  • 成果物の形を決める:経営会議に出す資料が必要なのか、社内の検討メモで足りるのかで、作業量は変わります

新規事業の予算の組み方そのものは新規事業の予算額の決め方で詳しく扱っています。

zigyo.aiの支援メニューと料金

zigyo.aiでは、新規事業の段階に合わせた支援メニューの料金を公開しています(提供はOtsumu株式会社)。料金は税別の目安で、内容と規模により変わります。

支援メニュー 参考料金 期間の目安
新規事業クイック診断 無料 30分(オンライン)
新規事業レビュー Sprint(稟議パック) 48万円(税別) 1〜2週間
顧客検証 Sprint 98万円〜(税別) 4週間
PoC / MVP Sprint(PoC Starter) 300万円〜(税別) PoC Starter:6週間〜
継続伴走 月額50万円〜(税別) 月単位の契約

どの支援が合うか分からない段階でも、無料診断で現在の状況を伺い、社内で進めるべきこと・外部に頼むべきことを整理できます。契約は必須ではありません。

まとめ

  • 費用は「範囲 × 体制 × 期間」で決まる。金額だけでは高いか安いか判断できない
  • 料金体系はプロジェクト型・月額型・時間単価型・成果報酬型がある。段階によって使い分ける
  • 見積もりでは成果物、含まれないもの、体制、追加費用の条件、成果物の権利を確認する
  • 複数社を比べるときは、依頼内容を1枚にまとめて前提を揃える
  • 費用を抑えるには、今回の判断に必要な範囲だけを頼む

同じ工程の記事