新規事業のフレームワーク一覧:工程ごとの使い分けと使うときの注意点
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新規事業の立ち上げでは、考えを整理するためのフレームワークがたくさんあります。ただ、フレームワークは埋めること自体が目的ではありません。いま何を決めたいのかに合わせて選び、分からない欄を「次に確かめること」として扱うのが正しい使い方です。
この記事では、新規事業でよく使われるフレームワークを工程ごとに整理し、それぞれ何を決めるときに使うのか、使うときの注意点をまとめます。
工程別のフレームワーク一覧
| 工程 | フレームワーク | 何を決めるときに使うか |
|---|---|---|
| アイデア検証 | 課題仮説 | 誰のどんな課題を解くか |
| アイデア検証 | ペルソナ・JTBD | 顧客が何を成し遂げたいのか |
| アイデア検証 | 顧客インタビュー | 課題が本当にあるか |
| 事業計画 | リーンキャンバス | 事業の仮説を1枚で整理する |
| 事業計画 | ビジネスモデルキャンバス | 事業の構成要素とつながりを整理する |
| 事業計画 | バリュープロポジション | 顧客にとっての価値を言葉にする |
| 事業計画 | TAM・SAM・SOM | 市場の大きさを段階的に見積もる |
| 事業計画 | 収益モデル・ユニットエコノミクス | どう稼ぎ、1件あたり採算が合うか |
| MVP開発・PoC | MVP・PoC | 何をどこまで作って確かめるか |
| MVP開発・PoC | 評価指標と成功基準 | 何が分かれば次に進むか |
| 社内の判断 | ステージゲート | 段階ごとに進む・止めるを判断する |
| グロース | KPIツリー | 目標をどの指標に分解して追うか |
| グロース | PMFの判断 | 市場に受け入れられたと言えるか |
アイデア検証で使うフレームワーク
課題仮説
「誰が、どんな場面で、何に困っていて、今どう対処しているか」を一文で書き出します。最初の工程で最も大切なのは、アイデアではなく課題を仮説として明確にすることです。詳しくは課題仮説の立て方と検証の順番を参照してください。
ペルソナとJTBD
ペルソナは顧客像を具体的に描く方法、JTBD(Jobs to be Done)は顧客が「何を成し遂げるために製品を使うのか」に注目する考え方です。属性より状況と目的に注目したいときはJTBDが役立ちます。使い分けはペルソナとジョブ(JTBD)の使い分けで扱っています。
事業計画で使うフレームワーク
リーンキャンバスとビジネスモデルキャンバス
どちらも事業を1枚の表で整理する方法です。ビジネスモデルキャンバスはアレックス・オスターワルダーらが提唱した9つの要素で事業の構成を整理するもので、リーンキャンバスはアッシュ・マウリャがそれをもとに、課題や解決策など初期の事業に必要な要素へ置き換えたものです。
新しい事業の仮説を整理する段階ではリーンキャンバス、既存の資産やパートナーとの関係も含めて事業全体を整理したい段階ではビジネスモデルキャンバスが向いています。書き方はリーンキャンバスの書き方、ビジネスモデルキャンバスの書き方を参照してください。
バリュープロポジション
顧客の課題や得たい成果に対して、自社の製品が何を提供するのかを言葉にします。競合や代替手段と比べて、なぜ選ばれるのかまで説明できるかが要点です。価値提案(バリュープロポジション)の作り方で詳しく扱っています。
TAM・SAM・SOM
市場全体(TAM)、自社が提供できる範囲(SAM)、初期に獲得を目指す範囲(SOM)の3段階で市場の大きさを見積もります。数字の大きさより、計算の前提と出典を示すことが大切です。市場規模(TAM・SAM・SOM)の出し方を参照してください。
収益モデルとユニットエコノミクス
誰から、何に対して、いつお金を受け取るかを決め、顧客1件あたりの獲得費用と生涯の売上(LTV・CAC)で採算を確かめます。収益モデルの種類と選び方、ユニットエコノミクス(LTV・CAC)の考え方で詳しく扱っています。
MVP開発・PoCで使うフレームワーク
PoC(概念実証)、プロトタイプ、MVP(実用最小限の製品)は、確かめたいことによって使い分けます。技術的にできるかを確かめるならPoC、使い勝手を確かめるならプロトタイプ、実際に使われ、お金を払ってもらえるかを確かめるならMVPが向いています。PoC・プロトタイプ・MVPの違いと進め方を参照してください。
どれを作る場合も、始める前に評価指標と成功基準を決めておくことが欠かせません。PoCの評価指標と成功基準の決め方で扱っています。
社内の判断で使うフレームワーク
ステージゲート
新規事業をいくつかの段階に分け、段階の間に「ゲート」と呼ぶ判断の場を置いて、進む・止めるを決める仕組みです。ロバート・クーパーが提唱した製品開発の管理手法として知られています。大企業の新規事業では、判断基準と判断する人を段階ごとに決めておくことで、検証の段階で既存事業と同じ物差しで打ち切られることを防げます。新規事業のステージゲートの設計を参照してください。
グロースで使うフレームワーク
KPIツリー
売上などの目標(KGI)を、商談数×受注率×単価のように分解し、日々追える指標(KPI)に落とし込みます。どの指標を改善すれば目標に近づくかが分かります。新規事業のKPIの置き方と撤退基準の決め方で扱っています。
PMFの判断
製品が市場に受け入れられた状態(プロダクトマーケットフィット)に達したかを、継続率や顧客の反応から判断します。PMF(プロダクトマーケットフィット)の判断の仕方を参照してください。
フレームワークを使うときの注意点
- 埋めることを目的にしない:すべての欄をもっともらしく埋めても、根拠がなければ意味がありません。分からない欄は「次に確かめること」として残します
- 事実と推測を分ける:顧客から聞いた事実と、自分たちの推測を区別して書きます
- 一度に多くを使わない:いま決めたいことに合うものを一つ選び、使ったら次の行動を決めます
- 定期的に書き直す:検証の結果が出るたびに、キャンバスや計画を更新します
テンプレートで始める
zigyo.aiでは、フレームワークの考え方を実務に落とし込んだExcelテンプレートを無料で配布しています。事業の仮説と判断基準をまとめる新規事業企画書テンプレート、目標を指標に分解する新規事業KPIシートなどがあります。テンプレート一覧からお選びください。
どのフレームワークから手をつけるべきか迷う場合は、お問い合わせで状況を伺い、次に確かめる論点を一緒に整理します(提供はOtsumu株式会社)。
まとめ
- フレームワークは、いま決めたいことに合わせて選ぶ
- アイデア検証では課題仮説とJTBD、事業計画ではリーンキャンバスやTAM・SAM・SOM、判断ではステージゲート、グロースではKPIツリーが中心になる
- 分からない欄は次に確かめることとして残し、検証のたびに書き直す
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