課金・収益の型

差別価格(学割・時間帯別など)

同じ商品でも、顧客の属性や時間帯、買い方によって価格を変え、支払える額の違う層をそれぞれ取り込む型です。公平感への配慮と、転売や抜け道の防止が課題です。

仕組み

差別価格は、同じ、またはほとんど同じ商品を、顧客によって異なる価格で売る型です。学割や子ども料金、シニア割引、昼間と夜間の料金差、平日と休日の料金差、まとめ買い割引、会員向け価格などが身近な例です。経済学では価格差別と呼ばれますが、ここでは悪い意味ではなく、価格の付け方の一つの考え方です。

顧客によって「払ってもよい金額」は違います。全員に同じ価格を付けると、安ければ買う層を逃すか、高く払える層から取りこぼすかのどちらかになります。価格に差をつけることで、買う層を広げながら、高く払える層からは相応の金額を受け取ることができます。

収益の上がり方

収益は、各グループの購入数と価格を掛けた合計です。たとえば、割引で新しく購入する人が増え、かつ割引を使わない人の価格は変えなければ、全体の売上は増えます。ただし、本来は通常価格を払ったはずの人が割引を使うようになると、売上は減ります。この「食い合い」をどう防ぐかが設計の核心です。

そのため、割引の対象を適切に区切る工夫が重要になります。学生証の確認、時間帯の制限、数量の制限、予約の条件などで、割引を使える人を限定します。また、割引で買った人が定価の人へ転売することも、防止策が必要です。

見るべき指標

  • グループ別の購入数、売上、客単価
  • 割引を使った人のうち、割引がなくても買った人の割合の推定
  • 時間帯や曜日ごとの稼働率の変化
  • 割引の費用(値引き総額)と増えた売上の差
  • 不満や苦情、不正利用の件数

向いている事業・注意点

空いている時間や席を埋めたい事業、固定費が大きく追加の1人あたりの費用が小さい事業、顧客層の幅が広い事業に向いています。限界費用が低いほど、割引しても利益が残ります。

注意点は、公平感の問題です。同じものに違う価格が付くことを顧客が不当に感じると、評判を損ないます。また、属性による価格の差が、法律や社会的な観点から問題になる場合があります。価格表示や取引のルールは分野により異なるため、個別の判断は専門家に確認してください。

新規事業で使うとき

新規事業では、まず通常価格の売れ行きを見たうえで、空いている時間帯や買っていない層に向けた割引を小さく試します。割引価格でも、追加の費用を上回る利益が出るかを確認します(損益分岐点の計算と使い方)。割引で入ってきた顧客が、その後通常価格で継続して買うかどうかは、生涯売上に影響するため、ユニットエコノミクス(LTV・CAC)の考え方の考え方で確認してください。

この型の事例

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