徹底した低価格・低コスト運営
サービスの範囲を絞り、運営の無駄を徹底して削ることで低価格を実現し、大量の顧客を取り込む型です。低価格は結果であり、費用構造の設計が本体です。
仕組み
徹底した低価格・低コスト運営は、単に値段を下げるのではなく、提供する価値を絞り、そのために必要な費用構造を作り替えることで、低価格でも利益が出る状態をつくる型です。格安航空会社(LCC)が代表例とされ、機内サービスの簡素化、機材や路線の絞り込み、予約や搭乗手続きの簡素化などで、運営費用を下げています。
顧客に「安いが十分」と思ってもらうために、何を削り、何を残すかを明確に決めることが核心です。全部を安くしようとするのではなく、顧客が重視しない部分を思い切って省き、重視する部分には費用をかけます。
収益の上がり方
収益は「大量の販売 × 小さな利益」です。1件あたりの利益は小さいため、設備や人員を高い稼働率で使い、固定費を多くの取引に分散することが重要です。稼働率が下がると、費用が回収できずに赤字になりやすい構造です。
低価格を支える仕組みとして、標準化(やり方を統一する)、自動化、セルフサービス、商品の種類の絞り込み、大量仕入れによる調達の安さなどが使われます。また、基本料金は低くして、追加のサービスを有料にして収益を補う例も多く見られます。価格だけで選ばれる状態に入ると、競合が同じ価格に追随したときに差がなくなる点が弱点です。
見るべき指標
- 1件あたりの費用(単位費用)と、競合との差
- 設備・人員の稼働率
- 取引量(客数)と、平均の客単価
- 追加サービスからの収益の割合
- 顧客の再利用率と、価格以外の理由での選択
向いている事業・注意点
需要が大きく、商品やサービスの標準化がしやすい分野に向いています。顧客の数が多く、価格に敏感な層が厚い市場で成り立ちます。運営の改善を継続できる組織力が必要です。
注意点は、安全や品質など削ってはいけない部分まで削ることです。法令で求められる基準、安全対策、従業員の労働環境は、費用削減の対象にしてはいけません。個別の判断は専門家に確認してください。また、規模の勝負になるため、後発の小さな事業者には厳しい型です。
新規事業で使うとき
新規事業としては、大手が重視しない顧客層や、過剰な機能を持つ既存サービスへの不満に着目して、必要最小限に絞ったサービスから始める方法があります。損益分岐点となる取引量を先に計算し、それが現実的な顧客数で達成できるかを確かめます(損益分岐点の計算と使い方)。低価格の顧客は離れやすいため、ユニットエコノミクス(LTV・CAC)の考え方の考え方で、獲得費用を回収できる継続利用があるかを見ておきます。
この型の事例
事例は準備中です。
「課金・収益の型」の他の型
- サブスクリプション
- フリーミアム
- 従量課金
- レイザー&ブレード(替え刃モデル)
- 保守・消耗品によるリカーリング
- 広告モデル
- ライセンス(知的財産・ブランド)
- 段階(ティア)料金
- 席数(ユーザー数)課金
- ダイナミックプライシング
- 支払額自由(Pay What You Want)
- プリペイド・チャージ型
- 未使用分が収益になる型(ブレイクエイジ)
- 分割払い・後払い(BNPL)
- 定期便(サブスクリプションボックス)
- 最低利用料+超過課金(コミット型)
- 導入後の拡張で伸ばす(アップセル・NRR)
- オークション
- 逆オークション・一括見積もり
- 差別価格(学割・時間帯別など)
- 目玉商品(ロスリーダー)
- ブランドプレミアム価格
- アンバンドル(基本は安く、オプション課金)
- アプリ内課金・アイテム課金
- シーズンパス・期間パス
- 寄付・投げ銭に支えられる型
