目玉商品(ロスリーダー)
一部の商品を原価に近い価格や赤字覚悟で販売して集客し、ほかの商品の購入で利益を取り戻す型です。目玉だけを買って帰る顧客が増えると成り立たなくなります。
仕組み
ロスリーダー(loss leader)とは、あえて利益を出さない、または赤字になる価格で売る目玉商品のことです。スーパーの卵や牛乳の特売、ファストフードのクーポン商品、ゲーム機の本体などが例として挙げられます。目玉商品の目的は、その商品自体で稼ぐことではなく、お客様に来店・購入してもらう入口をつくることです。
店に来たお客様は、目玉商品以外にも他の商品を買う可能性があります。目玉商品で下げる利益を、ほかの商品で回収する前提で成り立つ価格戦略です。
収益の上がり方
事業全体の利益は「目玉商品の損失 + 同時に買われる他の商品の利益」で決まります。この合計がプラスになれば成立します。ポイントは、目玉商品を買いに来た人が、どれだけ他の商品も買うか(併せ買い)にかかっています。
目玉商品の選び方も重要です。多くの人が値段をよく知っていて、安さが一目で分かる商品が選ばれやすくなります。ただし、目玉商品だけを買う客が多いと損失だけが増えます。そのため、買える数量の制限、他の商品の購入条件、売り場の配置の工夫などが使われます。なお、目玉商品の価格が不当に低い場合は、取引や競争に関するルールの問題になることがあります。
見るべき指標
- 目玉商品の販売数と、1個あたりの損失
- 目玉商品を買った客の併せ買い率と客単価
- 来店数・新規顧客数の増加
- 店全体の粗利額(目玉商品を含む)
- 目玉商品だけを買って帰った客の割合
向いている事業・注意点
来店や購入の入口が必要で、併せ買いの商品の利益率が十分に高い事業に向いています。小売、飲食、ゲームや機器の本体販売など、後から購入される商品がある分野で使われます。
注意点は、価格競争の消耗です。競合が同じ手段を取ると、全体の利益が下がります。また、原価を大きく下回る継続的な販売は、不当廉売として競争に関する法分野で問題とされる場合があります。個別の判断は専門家に確認してください。
新規事業で使うとき
新規事業では、期間と数量を区切って試し、併せ買いの実績を見て続けるかを決めます。目玉商品の損失を、ほかの商品の粗利でどれだけ回収できるかを計算し、回収できない水準では実施しません(損益分岐点の計算と使い方)。目玉で集めた顧客が再来店するか、一度きりかで価値が大きく変わるため、ユニットエコノミクス(LTV・CAC)の考え方の視点で検証してください。
この型の事例
事例は準備中です。
「課金・収益の型」の他の型
- サブスクリプション
- フリーミアム
- 従量課金
- レイザー&ブレード(替え刃モデル)
- 保守・消耗品によるリカーリング
- 広告モデル
- ライセンス(知的財産・ブランド)
- 段階(ティア)料金
- 席数(ユーザー数)課金
- ダイナミックプライシング
- 支払額自由(Pay What You Want)
- プリペイド・チャージ型
- 未使用分が収益になる型(ブレイクエイジ)
- 分割払い・後払い(BNPL)
- 定期便(サブスクリプションボックス)
- 最低利用料+超過課金(コミット型)
- 導入後の拡張で伸ばす(アップセル・NRR)
- オークション
- 逆オークション・一括見積もり
- 差別価格(学割・時間帯別など)
- ブランドプレミアム価格
- 徹底した低価格・低コスト運営
- アンバンドル(基本は安く、オプション課金)
- アプリ内課金・アイテム課金
- シーズンパス・期間パス
- 寄付・投げ銭に支えられる型
