GMOインターネットグループ株式会社
GMO internet group, Inc.
ドメイン、サーバー、決済などネットインフラを中核に、セキュリティ、ネット金融、暗号資産まで手がける企業グループ
2025年12月期
- 売上高
- 2,852億円 前期比 +3.3%
- 営業利益
- 591億円 利益率 20.7%
- 純利益
- 167億円
- ROE
- 16.3%
- 自己資本比率
- 5.5%
連結150社のインターネット企業グループで、利益の中心は決済とクラウドを含むインターネットインフラ事業。2025年12月期(IFRS)は売上収益2,852億円(前期比3.3%増)、営業利益591億円(19.5%増)。証券子会社などを連結するため自己資本比率は5%台と低く、セキュリティとフィジカルAIを次の成長分野に据える。
事業の概要
「すべての人にインターネット」を掲げ、上場子会社を多く抱えるグループ経営を行う。2025年1月から当社は純粋持株会社に近い立場に移った。2025年12月期の決算短信(日本基準)によるセグメント別の売上高と営業利益は次のとおり。
- インターネットインフラ:1,754億円(営業利益405億円)。ドメイン、クラウド・レンタルサーバー、EC支援、決済(GMOペイメントゲートウェイが中核、売上高836億円)、インターネット接続。10期連続で過去最高
- インターネットセキュリティ:214億円(同7億円)。電子認証・電子契約「GMOサイン」、脆弱性診断などのサイバーセキュリティ。2025年12月期から独立したセグメントに
- インターネット広告・メディア:355億円(同23億円)
- インターネット金融:394億円(同121億円)。GMOクリック証券などのFX、CFD、証券
- 暗号資産:77億円(同18億円)。GMOコインの交換事業など
GMOあおぞらネット銀行は持分50%の持分法適用会社。
業績の分析
2025年12月期の有価証券報告書から国際会計基準(IFRS)に移行した。IFRSでは売上収益2,852億円(前期比3.3%増)、営業利益591億円(19.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益167億円(12.8%増)。2月に公表した日本基準の決算短信では、売上高2,856億円(3.0%増)、営業利益571億円(22.5%増)だった。
会社の説明では、キャッシュレス化で決済事業が伸び、法人向け商材が好調なクラウド・レンタルサーバー事業とともにインフラ事業を牽引した。インターネット金融事業は店頭FXの売買代金が減ったものの、前期にタイの証券事業などで計上した約95億円の貸倒引当金繰入の反動で大幅増益。暗号資産事業は前期の一時的な収益の反動で減益、広告事業も軟調だった。
| 決算期 | 売上高 | 当期純利益 | 営業キャッシュ・フロー | 現金及び現金同等物 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年12月期 | 2,416億円 | 175億円 | ▲237億円 | 2,340億円 |
| 2022年12月期 | 2,456億円 | 132億円 | 256億円 | 3,222億円 |
| 2023年12月期 | 2,586億円 | 141億円 | 149億円 | 3,920億円 |
| 2024年12月期 | 2,760億円 | 148億円 | 866億円 | 4,676億円 |
| 2025年12月期 | 2,852億円 | 167億円 | 555億円 | 5,544億円 |
(有価証券報告書の値。2024年・2025年12月期はIFRSの売上収益と親会社の所有者に帰属する当期利益、それ以前は日本基準の売上高と親会社株主に帰属する当期純利益。2023年12月期の現金はIFRS移行日(2024年1月1日)の値。▲はマイナス)
売上は着実に伸びているが、当期利益は150億円前後で推移する。利益の多くを上場子会社が稼ぐため、非支配持分に帰属する利益(2025年12月期は199億円)が親会社分を上回る。2026年12月期の業績予想は、金融や暗号資産が市場環境に左右されるとして開示していない。中間期(IFRS)は売上収益1,586億円(11.2%増)、営業利益342億円(17.1%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益116億円(12.4%増)。
手元資金と使い道
2025年12月末の現金及び現金同等物は5,544億円(IFRS)。この連結の数字には、GMOペイメントゲートウェイなどの上場子会社や、証券・FXを営むインターネット金融事業、暗号資産事業の子会社の資金が含まれる。持株会社単体の現金及び現金同等物は2026年6月末で1,445億円(日本基準)と、連結の5,463億円の3割弱にとどまる。証券業関連資産8,729億円と証券業関連負債7,600億円は別建てで計上されている。
社債及び借入金は6,014億円(IFRS)。自己資本比率は5.5%と低い。証券業関連の資産・負債を両建てで計上していることが総資産を大きくしている一因。会社は財務戦略として、連結の自己資本の絶対額1,000億円を目標に掲げ(2025年12月末で1,112億円)、リスク投資は原則として各社の自己資本の3分の2以内とする。手元資金は銀行借入の向こう1年分、社債の向こう2年分の返済資金を確保する考え方で、格付はJCRがA-、R&IがBBB+。
株主還元は総還元性向50%が目標。日本基準の連結当期純利益の33%以上を四半期ごとに配当し、50%から配当総額を引いた額を目安に自己株式を取得する。2025年12月期の年間配当は52円で、自己株式の取得に150億円を支出した。
経営計画・成長戦略
数値目標を伴う中期経営計画の資料は確認できなかった。有価証券報告書では全社戦略として、グループシナジーの追求、AI活用の加速(「AIで未来を創るNo.1企業グループ」)、「Z.com」ブランドによるグローバル展開の3点を挙げる。エンジニア・クリエイター比率は60%を目標とし、2025年12月期末は50.8%。
事業別には、インフラ事業のストック型収益を基盤とし、セキュリティ事業を「ネットのセキュリティもGMO」プロジェクトで中長期の成長ドライバーに育てる方針。金融事業ではFXに次ぐ第2の柱としてCFDを伸ばし、暗号資産交換では国内首位を目指す。
新規事業・新しい取り組み
- フィジカルAI:2026年を「ヒューマノイド元年」と位置づけ、新たな成長ドライバーとする。ヒューマノイド派遣サービス、国内外メーカーの機体販売(2026年4月〜)、Unitree Roboticsの国内正規代理店(6月)、陸上自衛隊の四足歩行型警備ロボット導入検証の受託(6月)などを進める
- GPUクラウド:自社の「GMO GPUクラウド」が利益貢献の段階に入ったと説明し、ヒューマノイドの研究開発にも使う
- AI銀行構想:GMOあおぞらネット銀行で、顧客ごとのAIエージェント、業務のAI化、AIエージェントからの利用を想定したAPI・MCP対応の3領域を打ち出した
- M&A:2025年12月にプライム・ストラテジー(現GMOプライム・ストラテジー)を公開買付けで子会社化
新規事業担当者の視点では、ロボット本体の売り切りではなく、派遣やセキュリティなどのストック型サービスを組み合わせて既存のインフラ事業と同じ収益構造に載せようとしている点が参考になる。
分析:強みと課題
強み
- ストック型のインフラ事業:ドメイン、サーバー、決済など国内上位の商材を持ち、インフラ事業は10期連続で最高業績
- 決済の成長:キャッシュレス化を背景に、決済事業の売上高は2025年12月期に11.2%増えた
- 新領域への機動力:フィジカルAIやセキュリティへ、グループ内のGPUクラウドやホワイトハッカー人材を組み合わせて素早く参入している
課題・リスク
- 市況に左右される事業:金融と暗号資産の業績が市場環境で振れ、会社は業績予想を出していない
- 親会社株主に残る利益の薄さ:非支配持分への利益配分が大きく、連結の現金5,544億円も多くは子会社に属する
- 財務レバレッジ:自己資本比率は5%台で、社債及び借入金は6,000億円規模。持株会社の返済余力と格付の維持が前提になる
出典
分析の更新履歴(1件)
- 最新の版 2026年9月28日時点の情報
業績の推移
数字から読み取れること
- 売上高は2021年12月期の2,416億円から2025年12月期の2,852億円へ増加(4期間の年平均成長率 4.2%)。
- 直近期(2025年12月期)の売上高は前期比 +3.3%。
- 直近期の営業利益率は 20.7%。
- 直近期のROEは 16.3%(有価証券報告書の記載値)。
- 直近期末の自己資本比率は 5.5%。
- 直近期の営業キャッシュフロー(555億円)は純利益の 3.3倍。
下の表の数値から自動で計算しています。
| 決算期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,416億円 | 2,456億円 | 2,586億円 | 2,760億円 | 2,852億円 |
| 前期比 | — | +1.7% | +5.3% | +6.7% | +3.3% |
| 営業利益 | — | — | — | 494億円 | 591億円 |
| 営業利益率 | — | — | — | 17.9% | 20.7% |
| 経常利益 | 433億円 | 460億円 | 459億円 | 465億円 | 528億円 |
| 純利益(親会社株主に帰属) | 175億円 | 132億円 | 141億円 | 148億円 | 167億円 |
| 総資産 | 1兆4,189億円 | 1兆5,427億円 | 1兆7,289億円 | 1兆8,935億円 | 2兆365億円 |
| 自己資本 | — | — | 874億円 | 936億円 | 1,112億円 |
| 純資産 | 1,404億円 | 1,546億円 | 1,728億円 | 1,900億円 | 2,174億円 |
| 自己資本比率 | 5.2% | 4.7% | 5.1% | 4.9% | 5.5% |
| ROE | 28.2% | 18.1% | 18.3% | 16.4% | 16.3% |
| 現金及び現金同等物 | 2,340億円 | 3,222億円 | 3,920億円 | 4,676億円 | 5,544億円 |
| 営業キャッシュフロー | −237億円 | 256億円 | 149億円 | 866億円 | 555億円 |
| 従業員数 | 5,758人 | 6,159人 | 6,253人 | 6,333人 | 6,484人 |
| 書類の提出日 | — | — | — | — | 2026/03/23 |
| 出典 | 開示資料 | 開示資料 | 開示資料 | 開示資料 | 開示資料 |
新しい決算の書類が提出されるたびに期を追加し、過去の期も残しています。 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から集計しています(営業利益は損益計算書の当期・前期のみ)。自己資本比率とROEは報告書の記載値です。
情報・通信業の会社
日本の情報・通信業は622社。 GMOインターネットグループ株式会社の直近の売上高は22位。 業種の会社をすべて見る
| 順位 | 会社名 | 売上高 | 営業利益率 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | NTT株式会社分析あり | 14兆4,091億円 | 11.8% | 1兆370億円 |
| 2 | ソフトバンクグループ株式会社分析あり | 7兆7,986億円 | — | 5兆22億円 |
| 3 | ソフトバンク株式会社分析あり | 7兆386億円 | 14.8% | 5,507億円 |
| 4 | KDDI株式会社分析あり | 6兆719億円 | 18.1% | 7,071億円 |
| 5 | LINEヤフー株式会社分析あり | 2兆363億円 | 16.8% | 1,936億円 |
| 6 | 株式会社 大塚商会 | 1兆3,227億円 | 6.8% | 643億円 |
| 7 | 株式会社野村総合研究所 | 8,147億円 | 7.2% | 152億円 |
| 8 | 株式会社光通信分析あり | 7,347億円 | 15.9% | 1,510億円 |
| 9 | TISI株式会社 | 5,964億円 | 12.8% | 466億円 |
| 10 | 株式会社フジ・メディア・ホールディングス | 5,518億円 | -1.6% | 64.9億円 |
売上規模の近い情報・通信業の会社
- 日本オラクル株式会社2,850億円
- 株式会社KADOKAWA2,829億円
- トレンドマイクロ株式会社2,759億円
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス2,976億円
- 株式会社テレビ朝日ホールディングス3,394億円
- 株式会社インターネットイニシアティブ3,453億円
- 株式会社メルカリ2,292億円
- 東宝株式会社3,606億円
直近期の売上高で並べています。決算期が会社ごとに異なるため、同じ時期の比較ではありません。
事業の内容
有価証券報告書「事業の内容」より抜粋(有価証券報告書-第35期(2025/01/01-2025/12/31))
経営方針・経営計画
有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」より抜粋
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針当社グループは、「すべての人にインターネット」というコーポレートキャッチのもと、インターネットのインフラ・サービスインフラすなわちインターネットの"場"の提供に経営資源を集中し、「日本を代表する総合インターネットグループ」として、インターネッ…全文の抜粋を表示
掲載内容は開示資料をもとにした情報提供であり、特定の有価証券の売買を勧めるものではありません。数値の正確性には注意していますが、投資などの判断は必ず各社の開示資料をご確認のうえ、ご自身で行ってください。
