ソフトバンクグループ株式会社
SoftBank Group Corp.
Arm、OpenAI、ソフトバンクなどに投資する戦略的投資持株会社。ASIの実現を掲げ、AI関連に資本を集中する
2026年3月期
- 売上高
- 7兆7,986億円 前期比 +7.7%
- 純利益
- 5兆22億円
- ROE
- 34.3%
- 自己資本比率
- 29.0%
持株会社投資、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)、ソフトバンク、AIコンピューティングの4事業で構成。2026年3月期はOpenAIへの出資に係る投資利益6兆7,304億円が寄与し、純利益5兆22億円となった。財務はLTV(純有利子負債÷保有株式価値)25%未満を方針とする。
事業の概要
報告セグメントは持株会社投資事業、SVF事業、ソフトバンク事業、AIコンピューティング事業の4つ。2025年11月に米半導体設計のAmpereを65億米ドルで100%子会社化したのを機に、Arm(議決権所有割合86.7%)、Graphcore、AmpereをAIコンピューティング事業にまとめた。
- 持株会社投資事業:IntelやT-Mobile USなどへの投資。セグメント損失4,721億円
- SVF事業:SVF1、SVF2、LatAm。SVF2がOpenAIに出資。セグメント利益6兆4,446億円
- ソフトバンク事業:ソフトバンク(LINEヤフー、PayPayを含む)。セグメント利益9,650億円
- AIコンピューティング事業:売上高6,403億円、研究開発費の増加やAmpereの取り込みでセグメント損失1,373億円
投資先の大半は公正価値で測定し、変動を投資損益に計上する。一方、Armやソフトバンクなどの子会社は連結するため、株価の変動は損益に表れない。
業績の分析
2026年3月期(IFRS)は売上高7兆7,986億円(7.7%増)、税引前利益6兆1,349億円、親会社の所有者に帰属する当期利益5兆22億円(前期1兆1,533億円)。投資利益7兆2,865億円のうちOpenAIへの出資に係る利益が6兆7,304億円(439億米ドル)を占めた。持株会社投資事業ではT-Mobile株式で6,568億円の損失を計上した一方、NVIDIA株式やIntelへの出資で利益を得た。
| 決算期 | 売上高 | 当期利益 | 現金及び現金同等物 |
|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 6兆2,215億円 | −1兆7,080億円 | 5兆1,690億円 |
| 2023年3月期 | 6兆5,704億円 | −9,701億円 | 6兆9,251億円 |
| 2024年3月期 | 6兆7,565億円 | −2,276億円 | 6兆1,868億円 |
| 2025年3月期 | 7兆2,437億円 | 1兆1,533億円 | 3兆7,130億円 |
| 2026年3月期 | 7兆7,986億円 | 5兆22億円 | 5兆3,621億円 |
売上高は通信のソフトバンクが中心で安定して伸びる一方、当期利益は3期連続の赤字から大幅黒字へと投資損益で大きく振れる。2027年3月期第1四半期は当期利益3,473億円(17.7%減)。業績予想は開示していない。
手元資金と使い道
連結の現金及び現金同等物5兆3,621億円には、ソフトバンクやArm、SVFの資金が含まれる。持株会社投資事業分は2兆8,120億円。PayPay銀行とLINE Bank Taiwanの銀行子会社分3,309億円も含む。連結の有利子負債とリース負債は25兆6,636億円(前期18兆9,134億円)で、銀行業の預金は含まない。
会社が重視するのは独立採算子会社を除く「SBG単体」の指標。2026年3月末は保有株式価値48.3兆円(ArmとOpenAIで約65%)、純有利子負債8.2兆円、NAV 40.1兆円、LTV 17.0%、手元流動性3.5兆円。財務方針は通常時LTV25%未満(異常時でも上限35%)、少なくとも2年分の社債償還資金の保持。6月末はArm株の上昇でNAV 72.3兆円、LTV 13.0%となり、手元流動性は2.3兆円に減った。
資金はOpenAIなどへの投資に振り向け、資産の資金化と負債調達を組み合わせる。2026年3月期にはT-Mobile株式の売却で162.5億米ドル、NVIDIA株式の売却で58.3億米ドルを得て、Arm株式を担保とするマージンローンを115億米ドル増額した。150億米ドルのブリッジローンに続き、2026年3月に総額400億米ドルのブリッジファシリティ契約を結んだ。
経営計画・成長戦略
中期経営計画は公表していない。ASI(Artificial Super Intelligence)の実現を掲げ、AIの計算基盤、半導体、ロボティクス、データセンターに投資を集中している。株主還元は、2026年1月の1対4の株式分割後で年間11円の配当を予定する。
新規事業・新しい取り組み
- OpenAI:SVF2の累計出資額346億米ドル、公正価値796億米ドル(2026年3月末)。2026年2月に300億米ドルの追加出資を決め、4月・7月・10月の3回に分けて払い込む。完了後の累計出資額は646億米ドル、持分比率は約13%の見込み
- Arm:2026年3月、設立以来初の自社設計チップ「Arm AGI CPU」を発表し、IPライセンスからチップ供給へ事業を広げた
- M&A:ABBのロボティクス事業を53.75億米ドルで買収する契約を2025年10月に締結。DigitalBridgeの買収(企業価値約40億米ドル)は2026年9月22日に必要な規制承認をすべて得たと同社が発表
- PayPay:2026年3月にNasdaqへ上場し、引き続き子会社
新規事業の担当者の視点では、上場株を担保にした資金調達と保有株の売却で、非上場の成長企業に大型出資を続ける資本の回し方が特徴的。
分析:強みと課題
強み
- AIの中核資産の保有:ArmとOpenAIという代替の難しい資産を大きな比率で持つ
- 資金調達の手段の多さ:社債、ハイブリッド社債、マージンローン、保有株の売却を組み合わせられる
- 明確な財務規律:LTVと社債償還資金の基準を公表し、その範囲内で投資を続けている
課題・リスク
- 集中リスク:保有株式価値の約65%がArmとOpenAIで、両社の評価が下がればNAVとLTVが同時に悪化する
- 利益の変動:当期利益は投資先の公正価値で大きく動き、事業の実力を読み取りにくい
- 負債の増加:大型投資に伴い純有利子負債は8.2兆円から6月末に10.8兆円へ増え、手元流動性は減った
出典
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(ソフトバンクグループ、2026年5月13日)
- 2026年3月期 決算 投資家向け説明会 財務編(ソフトバンクグループ、2026年5月13日)
- 有価証券報告書 第46期(ソフトバンクグループ、2026年6月22日、EDINET書類管理番号S100YGH5)
- 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(ソフトバンクグループ、2026年8月6日)
- 2027年3月期 第1四半期決算 投資家向け説明会 財務編(ソフトバンクグループ、2026年8月6日)
- ABB Ltdのロボティクス事業の買収に関するお知らせ(ソフトバンクグループ、2025年10月8日)
- DigitalBridgeを企業価値約40億ドルで買収(ソフトバンクグループ、2025年12月29日)
- DigitalBridge Receives All Regulatory Approvals Required to Complete Acquisition by SoftBank Group Corp.(DigitalBridge、2026年9月22日)
分析の更新履歴(1件)
- 最新の版 2026年9月27日時点の情報
業績の推移
数字から読み取れること
- 売上高は2022年3月期の6兆2,215億円から2026年3月期の7兆7,986億円へ増加(4期間の年平均成長率 5.8%)。
- 直近期(2026年3月期)の売上高は前期比 +7.7%。
- 表の期間中に最終赤字の期がある(2022年3月期、2023年3月期、2024年3月期)。
- 直近期のROEは 34.3%(有価証券報告書の記載値)。
- 直近期末の自己資本比率は 29.0%。
- 直近期の営業キャッシュフロー(−4,288億円)は純利益の -0.1倍。
下の表の数値から自動で計算しています。
| 決算期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6兆2,215億円 | 6兆5,704億円 | 6兆7,565億円 | 7兆2,437億円 | 7兆7,986億円 |
| 前期比 | — | +5.6% | +2.8% | +7.2% | +7.7% |
| 純利益(親会社株主に帰属) | −1兆7,080億円 | −9,701億円 | −2,276億円 | 1兆1,533億円 | 5兆22億円 |
| 総資産 | 47兆5,446億円 | 43兆9,363億円 | 46兆7,242億円 | 45兆137億円 | 60兆7,495億円 |
| 自己資本 | 9兆9,756億円 | 9兆298億円 | 11兆1,621億円 | 11兆5,615億円 | 17兆6,218億円 |
| 自己資本比率 | 21.0% | 20.6% | 23.9% | 25.7% | 29.0% |
| ROE | -16.9% | -10.2% | -2.3% | 10.2% | 34.3% |
| 現金及び現金同等物 | 5兆1,690億円 | 6兆9,251億円 | 6兆1,868億円 | 3兆7,130億円 | 5兆3,621億円 |
| 営業キャッシュフロー | 2兆7,254億円 | 7,412億円 | 2,505億円 | 2,035億円 | −4,288億円 |
| 従業員数 | 59,721人 | 63,339人 | 65,352人 | 67,229人 | 73,677人 |
| 書類の提出日 | — | — | — | — | 2026/06/22 |
| 出典 | 開示資料 | 開示資料 | 開示資料 | 開示資料 | 開示資料 |
新しい決算の書類が提出されるたびに期を追加し、過去の期も残しています。 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から集計しています(営業利益は損益計算書の当期・前期のみ)。自己資本比率とROEは報告書の記載値です。
情報・通信業の会社
日本の情報・通信業は622社。 ソフトバンクグループ株式会社の直近の売上高は2位。 業種の会社をすべて見る
| 順位 | 会社名 | 売上高 | 営業利益率 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | NTT株式会社分析あり | 14兆4,091億円 | 11.8% | 1兆370億円 |
| 2 | ソフトバンクグループ株式会社 | 7兆7,986億円 | — | 5兆22億円 |
| 3 | ソフトバンク株式会社分析あり | 7兆386億円 | 14.8% | 5,507億円 |
| 4 | KDDI株式会社分析あり | 6兆719億円 | 18.1% | 7,071億円 |
| 5 | LINEヤフー株式会社分析あり | 2兆363億円 | 16.8% | 1,936億円 |
| 6 | 株式会社 大塚商会 | 1兆3,227億円 | 6.8% | 643億円 |
| 7 | 株式会社野村総合研究所 | 8,147億円 | 7.2% | 152億円 |
| 8 | 株式会社光通信分析あり | 7,347億円 | 15.9% | 1,510億円 |
| 9 | TISI株式会社 | 5,964億円 | 12.8% | 466億円 |
| 10 | 株式会社フジ・メディア・ホールディングス | 5,518億円 | -1.6% | 64.9億円 |
直近期の売上高で並べています。決算期が会社ごとに異なるため、同じ時期の比較ではありません。
事業の内容
有価証券報告書「事業の内容」より抜粋(有価証券報告書-第46期(2025/04/01-2026/03/31))
経営方針・経営計画
有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」より抜粋
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の本有価証券報告書の提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下の通りです。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社は、「情報革…全文の抜粋を表示
掲載内容は開示資料をもとにした情報提供であり、特定の有価証券の売買を勧めるものではありません。数値の正確性には注意していますが、投資などの判断は必ず各社の開示資料をご確認のうえ、ご自身で行ってください。
