Ulta Beauty, Inc.
Ulta Beauty Rewards(会員プログラムと提携カード)

国
アメリカ
上場
NASDAQ ULTA
参照資料
FY2025(2026年1月31日終了)Form 10-K

会員数4,600万人超、売上の約95%を会員が占めるロイヤルティプログラムを軸に、提携カードや広告事業へ会員基盤を広げる米国美容小売の事例です。

事業の概要

Ulta Beautyは、米国で1,500店超の店舗とオンラインで美容製品とサロンサービスを提供する小売企業です。Form 10-K(FY2025、2026年1月31日終了)は、会員プログラム「Ulta Beauty Rewards」を戦略の柱の一つに位置づけ、会員が購入金額に応じてポイントを貯め、店舗やデジタルで使えると説明しています。

同10-Kによると、会員数は2025年度末で4,600万人超で、同年度の総売上の約95%が会員によるものです。

収益の仕組み

ポイントは購入に応じて付与され、有効期間は最低1年です。同10-Kは、ポイントを将来の商品やサービスに使える権利と位置づけ、未使用分に係る収益は繰り延べ、会員が使うか失効した時点で売上に計上すると記載しています。

会員基盤はほかにも使われています。同10-Kによると、プライベートブランドと提携ブランドのクレジットカードを提供しており、カードに申し込めるのは会員だけです。同社は、カード事業者から各種のインセンティブ支払いや費用の償還を受け、売上に計上すると説明しています。また、会員の理解を生かして2022年にUB Mediaを開始し、ブランド(取引先メーカー)向けに広告・メディア機能を提供しています。

公開資料から読み取れること

  • 純売上高:124億ドル(前年度は113億ドル、9.7%増)。既存店売上は5.4%増
  • 会員数:4,600万人超、総売上に占める会員比率:約95%
  • 店舗のみで購入した会員の割合:73%、店舗とデジタルの両方で購入した会員の割合:19%
  • 店舗とデジタルの両方を使う会員は、店舗のみの会員の3倍超を支出してきたと記載されています

同10-Kは、カードが会員の購入額と愛着を高め、顧客理解も深めると説明しています。他方、ポイントやカード、UB Mediaごとの収益額は、確認した範囲では記載がありませんでした。

新規事業への示唆

売上の大半が会員によるという状況では、会員データそのものが事業の資産になります。Ultaは、ポイントによる再購入の促進に加え、カードの提携収入と取引先向けの広告にも会員基盤を使っています。

新規事業で会員プログラムを設計する場合は、ポイント費用に見合う再購入が生まれているかを確認する指標と、会員データを第三者への収益にも使う場合の個人情報の扱いを、最初に決めておく必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。