Uber Technologies, Inc.
Uberの配車・デリバリー・広告のプラットフォーム事業
- 国
- アメリカ
- 上場
- NYSE UBER
- 参照資料
- FY2025(2025年12月期)Form 10-K
配車・デリバリー・貨物を1つのネットワークで束ね、運転手と加盟店からの手数料に広告収入を重ねる米国企業の事例です。
事業の概要
Uberは、Form 10-K(FY2025、2025年12月期)で、自社を「point Aからpoint Bへの移動を支える技術プラットフォーム」と説明しています。ライダー(乗客)と独立した運転手をつなぐ配車、飲食店・小売店と配達員をつなぐデリバリー、荷主と運送事業者をつなぐフレイトの3つを報告セグメントとしています。同10-Kは、70を超える国・1万5,000を超える都市で提供していると記載しています。
収益の仕組み
同10-Kによると、収益の大半は、運転手と加盟店(Merchants)がプラットフォームを使う対価として支払う手数料です。同社は多くの取引で「エージェント」(仲介者)と位置づけており、収益は運転手・加盟店への支払いやインセンティブを差し引いた純額で計上されると説明しています。一部の市場では同社自身がサービスの提供責任を負い、売上を総額で計上するとも記載しています。
広告については、2022年10月に広告部門を立ち上げ、乗車中に表示するJourney Adsなどを提供していると記載されています。広告収入の大半は、加盟店やブランドが支払うスポンサー掲載料と説明されています。さらに、Uber Oneという会員プログラムの会員数が4,600万人に達したとも記載されています。
公開資料から読み取れること
同10-K(FY2025)の主な数値は次のとおりです。
- 月間アクティブ利用者(MAPCs、第4四半期):2億200万人(前年比18%増)
- 総取扱高(Gross Bookings):1,934億5,400万ドル(19%増)
- 売上高:520億1,700万ドル(18%増)。内訳はモビリティ296億7,000万ドル、デリバリー172億4,800万ドル、フレイト50億9,900万ドル
- 営業利益:55億6,500万ドル(前年は27億9,900万ドル)
- フリーキャッシュフロー:97億6,300万ドル
デリバリーの売上増の要因として、同10-Kは広告収入の5億6,800万ドルの増加を挙げています。また、2025年第4四半期のデリバリー初回利用者の約58%がUberのプラットフォームに新規の利用者だったこと、モビリティとデリバリーの両方を使う利用者の総取扱高は単一サービス利用者の3倍超だったことも記載されています。
新規事業への示唆
同社の開示からは、1つの需要側ネットワーク(利用者)を軸に、供給側の異なる市場(配車、デリバリー、貨物)へ広げ、複数サービスを使う利用者ほど取引額が大きくなる構図が読み取れます。シェアリング型の事業では、仲介手数料に加えて、集まった利用者への接点を広告として加盟店に提供する形で収益源を重ねられる点が参考になります。一方で、同10-Kは運転手の分類や各地の規制が事業モデルに影響しうると記載しており、規制・労務面のリスクを前提に設計する必要があります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
