株式会社U-NEXT HOLDINGS(旧:USEN-NEXT HOLDINGS)
店舗向け音楽配信・通信回線・POSレジなどの店舗・施設ソリューション
- 国
- 日本
- 上場
- 東証プライム 9418
- 参照資料
- 株式会社U-NEXT HOLDINGS 2026年8月期 第3四半期決算説明資料(2026年7月13日)
店舗向けの音楽配信や通信回線を入口に、POSレジやカメラなど60以上のDX/IoT商材をクロスセルする日本企業の事例です。
事業の概要
U-NEXT HOLDINGSは、動画配信サービス「U-NEXT」を運営するコンテンツ配信のほか、店舗・施設ソリューション、通信・エネルギー、金融・不動産・グローバルの各事業を展開しています。2026年8月期第3四半期の決算説明資料によると、BtoBの顧客基盤は店舗数86万、施設数3万(ホテル・病院など)と記載されています。
店舗ソリューションは、店舗向け音楽配信(BGM)、通信回線、POSレジ、Wi-Fi、IPカメラ、配膳ロボット、デジタルサイネージなどで構成されます。同資料は、通信環境をベースインフラとした60以上のDX/IoT商材によるクロスセルを成長戦略に挙げています。
収益の仕組み
同資料は、競争優位性として「60年超の事業展開による顧客基盤」「受注から納品・保守まで一気通貫の自社リソース」「全国18,000社の顧客紹介パートナーネットワーク」を挙げています。販売面では、店舗市場は「セット成約率が高い新規OPEN店」へより注力するとし、既存店の閉店と後継店の開業のサイクルも捉えるとしています。
クロスセルの入口は複数あります。店舗向け自社光回線の拡販をきっかけにDX/IoT商材のクロスセル機会をつくること、電力の提供や金融(キャッシュレス決済)、不動産を通じてグループ商材のクロスセルにつなげることが記載されています。収益の性格について同資料は、機器の保守料金やホテル管理システムの利用料などを「リカーリング」、自動精算機の機器販売などを「フロー」と区分しています。
公開資料から読み取れること
2026年8月期第3四半期(9か月累計)の資料の数値は次のとおりです。
- 連結売上高:3,323億2,000万円(前年同期比17%増)、営業利益:252億3,300万円(同4%増)
- 店舗・施設ソリューションの売上高:767億5,400万円(同5%増)、営業利益:130億5,900万円(同2%減)
- 店舗ソリューションの契約件数(第3四半期末):127万6,000件。前年同期の118万件から約10万件(8%)増加
- 内訳:店舗向け通信回線33万2,000件(前年同期27万5,000件)、その他店舗向けサービス29万8,000件(同25万件)、店舗向け音楽配信64万6,000件(同65万5,000件)
- 契約件数は、1顧客が複数サービスを契約している場合、サービスごとに1件として数える
音楽配信の契約件数が減る一方、通信回線とPOSレジなどのその他サービスが増えています。1顧客あたりの契約数や、クロスセル率そのものは、資料では確認できませんでした。
新規事業への示唆
U-NEXT HOLDINGSの資料からは、店舗に既に入っている音楽配信や通信回線を土台に、別の商材を追加していく形が読み取れます。契約件数の構成が、入口の商材から追加商材へ移っている点が数字に表れています。
新規事業では、既存商材が顧客に定着しているうちに、同じ顧客の隣の課題を解く商材を追加できるかを検討できます。また、店舗の開業時のように複数商材をまとめて決めやすい場面があれば、そのタイミングを営業の起点にする考え方も参考になります。一方、件数の伸びだけでは1顧客あたりの売上は分からないため、顧客数と売上の両方で追う必要があります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
