日立建機株式会社
バリューチェーン事業(部品・サービス、レンタル、スペシャライズド・パーツ・サービスなど)
- 国
- 日本
- 上場
- 東京証券取引所 6305
- 参照資料
- 2026年3月期(2025年度)決算短信、決算説明および中期経営計画資料(2026年4月24日)
新車販売以外の部品・サービスやレンタルを「バリューチェーン」として開示し、連結売上収益の44%を占める建設機械メーカーの事例です。
事業の概要
日立建機は、油圧ショベルなどの建設機械と鉱山機械を製造・販売する企業です。2026年3月期の決算説明会資料(質疑付き記録)は、「バリューチェーン」を、新車販売以外の事業である部品・サービス、スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス、レンタルなどの合計と定義しています。
スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスは、建設機械ビジネスのセグメントに含まれないマイニング設備・機械のアフターセールスにおける、部品の開発・製造・販売とサービスソリューションの提供と説明されています。
収益の仕組み
同社は、新中期経営計画の成長ストーリーで、バリューチェーン事業の強化を続け、リカーリング収益を拡大させる方針を示しています。部品・サービス事業については、稼働台数の増加に対して「捕捉率」を高める施策を実行し、売上高と利益額の拡大を図ると説明しています。
前中期経営計画の振り返りでは、ConSiteの深化による継続的な売上拡大と、遠隔監視で集めた機械の稼働データを解析する「LANDCROS Connect Insight」への取り組みが挙げられています。収益化の具体的な契約形態や、ConSiteの売上高そのものは、確認した資料には記載がありませんでした。
公開資料から読み取れること
2026年3月期の決算短信と決算説明会資料の数値は次のとおりです。
- 売上収益:1兆4,054億円(前期比2.5%増)
- バリューチェーン売上収益:6,197億円(前年比4%増、過去最高)、連結売上収益に占める比率は44%(前年より1ポイント増)
- 内訳:部品・サービス3,222億円(ほぼ前年並み)、スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス1,370億円(8%増)、レンタル1,072億円(13%増)
- 調整後営業利益:約1,330億円
同社は、部品・サービスでは、上半期にオーストラリアやアジアの顧客がメンテナンス投資を抑制したことが影響したと説明しています。2026年度については、バリューチェーン売上収益を6,507億円(5%増)と見込んでいます。
新規事業への示唆
この事例は、機械の新車販売と、稼働し続ける機械から生まれる部品・サービス・レンタルを、別々の事業として数字で管理している点に特徴があります。バリューチェーンが連結売上の44%を占めています。ただし、同社も顧客のメンテナンス投資の抑制で部品・サービスが伸びなかったと述べており、サービス収益も景気の影響を受けることが分かります。
新規事業で類似の型を検討する場合は、稼働台数のうち自社のサービスを使っている割合(捕捉率)を測り、稼働データの収集を保守提案につなげる順序で進めることになります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
