ファナック株式会社
サービス部門(保守・修理・部品などのアフターサービス)

国
日本
上場
東京証券取引所 6954
参照資料
2026年3月期(2025年度)決算短信、2025年度決算説明会資料(2026年4月24日)

CNCやロボットを使い続ける限り保守を提供するとして「サービスファースト」を掲げ、サービス部門が連結売上の16.5%を占める事例です。

事業の概要

ファナックは、CNC(数値制御装置)とサーボを核とするFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開する企業です。2026年3月期決算短信は、生産財のサプライヤであるという原点に立ち、「お客様がファナックの商品をお使いになる限り、保守サービスを提供し続けます」と記載しています。

同社は、「サービスファースト」をスローガンとして、世界中のどこでもグローバルスタンダードに基づく高度なサービスを提供することで、顧客の稼働率の向上を実現すると説明しています。決算短信は、サービス部門をFA・ロボット・ロボマシンと並ぶ独立した売上区分として開示しています。

収益の仕組み

決算短信の記載では、サービス部門は、ITを活用したCX(顧客体験)を重視し、顧客満足度の向上をグローバルに推進する体制の強化を図ったとされています。決算説明会資料のトピックスには、ファナックインディアの新サービス棟が紹介されています。コールセンタ、保守部品倉庫、サービス事務所の機能を持つ建物で、累積設置32万台以上の商品に対応するため、23か所のサービス拠点と5か所の修理センタが稼働し、全社員の4割以上に当たる230名がサービス専従と記載されています。

サービス部門の売上の具体的な料金体系(保守契約の形態や修理・部品の内訳)は、今回確認した決算短信・決算説明会資料では確認できませんでした。

公開資料から読み取れること

2026年3月期決算短信(連結)の数値は次のとおりです。

  • 売上高:8,578億3,100万円(前期比7.6%増)
  • サービス部門の売上高:1,411億4,300万円(前期比4.4%増)、全連結売上高に対する構成比16.5%
  • 他の部門:FA部門2,084億7,800万円、ロボット部門3,786億1,000万円(同14.9%増)、ロボマシン部門1,296億円(同5.8%減)

ロボマシン部門が前期比で減少した一方で、サービス部門は増加しており、部門ごとの増減の差が数字から読み取れます。なお、決算説明会資料には、中国で持分法適用会社が行っているサービスの売上高は連結売上高に含まれないとの注記があります。

新規事業への示唆

この事例は、製品の販売台数が積み上がるほど、保守サービスの対象が広がることを、サービス部門を独立した売上区分として開示している点で示しています。サービスを機器の販売に付随するものではなく、拠点・人員・部品在庫を備えた事業として運営している様子が、インドの例から読み取れます。

製造業が同様のサービス化を検討する場合は、まず保守・修理・部品の売上を製品販売と分けて把握できるようにし、サービス専従の人員と拠点の規模を管理指標に加える必要があります。製品販売が減る局面でもサービス売上が積み上がるかを、契約期間を通じて確認していくことになります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。