eBay Inc.
eBayマーケットプレイス
- 国
- 米国
- 上場
- ナスダック EBAY
- 参照資料
- FY2025(2025年12月期)Form 10-K
世界で1億3,500万人の購入者と売り手を結び、取扱高に対する手数料と出品者向けの広告で収益を上げる米国企業の事例です。
事業の概要
eBayは、売り手と買い手をつなぐオンラインのマーケットプレイスを世界で運営しています。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)によると、同社は自らを「グローバルなコマースのリーダーであり、第三者(サードパーティ)マーケットプレイス」と位置づけ、2025年末時点でアクティブな購入者は1億3,500万人、世界の出品数(ライブリスティング)は25億件と記載されています。2025年の流通総額(GMV)は約796億ドルでした。
収益の仕組み
同10-Kは、収益の中心は「マーケットプレイスで支払われた取引のGMVに対するテイクレート(純売上高÷GMV)」だと説明しています。マーケットプレイス収益は、買い手と売り手をつなぐ「コネクションサービス」の対価としての手数料(final value fee、出品手数料、オプション機能の手数料、為替手数料)が中心で、ストア向けの月額手数料や送料関連の収益なども含まれると記載されています。
もう一つの柱が広告収益です。主に、売り手が自分の出品を目立たせるために支払う手数料(Promoted Listingsなど)と、第三者広告の手数料で構成されると説明されています。同社は「売り手が成功したときに同社も成功する設計」としています。
公開資料から読み取れること
Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。
- 純売上高:111億ドル(前年比8%増)
- 内訳:マーケットプレイス収益91億700万ドル(5%増)、広告収益19億9,300万ドル(22%増)
- GMV:796億900万ドル(前年比7%増)
- テイクレート:13.94%(前年は13.77%)
- 営業利益率:20.5%(前年は22.5%)
純売上高の増加は、GMVの増加、第一者広告の浸透、英国の配送プログラムの立ち上がりによると説明されています。一方、英国での個人間取引(C2C)の手数料引き下げは減収要因とされています。広告収益は、マーケットプレイス収益より速いペースで伸びたことが数字から読み取れます。
新規事業への示唆
マーケットプレイスの売上は、取扱高とテイクレートに分解して見ることができます。eBayの開示では、GMVの伸びに加え、広告や配送といった付加サービスでテイクレートを引き上げる一方、個人間取引では手数料を引き下げる施策も取っており、手数料率が売り手の参加意欲と収益の両方に影響することが分かります。新規事業でマーケットプレイスを検討する際は、基本の取引手数料に加えて、売り手の成果につながる有料サービスを何にするかを、早い段階から設計しておく必要があります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
