株式会社ブリヂストン
ブリヂストンのソリューション事業(鉱山・航空・トラックバス向けBtoBソリューション、リトレッド等)

国
日本
上場
東証プライム 5108
参照資料
第107期(2025年12月期)有価証券報告書、2025年12月期 決算説明会資料(2026年2月16日)

タイヤの販売にとどまらず、鉱山・航空・トラックバス向けに使用段階のサービスを提供し、2025年12月期にソリューション事業の売上収益1兆4,207億円を計上した事例です。

事業の概要

ブリヂストンは、有価証券報告書(第107期、2025年12月期)で、タイヤ事業を中核に、ソリューション事業、化工品・多角化事業などを行うと記載しています。ソリューション事業は、生産財系BtoBソリューション(鉱山、航空、トラック・バス系)と小売サービスで構成されると説明しています。

同報告書は、断トツ商品を創って売るタイヤ事業を中核としつつ、お客様が使う段階で価値をさらに増幅させるソリューション事業を成長事業と位置づけています。2025年の決算説明会資料も、単品販売からソリューションカンパニーへ進化し、他社との差別化と収益力基盤を構築すると説明しています。

収益の仕組み

有価証券報告書の収益認識の項目では、タイヤ事業やソリューション事業などでは主として製品の引渡時点で収益を認識すると記載されています。同資料は、ソリューション事業の個別の課金方式(月額やサービス単価など)までは開示していません。

決算説明会資料の付録では、鉱山ソリューションは、断トツ商品Bridgestone MASTERCOREを軸に、現場に密着した技術サービスと、車両運行管理データの共有によってオペレーションの安全性・生産性向上に貢献すると説明しています。航空ソリューションは、複数回リトレッド、タイヤ摩耗・耐久予測技術を組み合わせてタイヤ価値とデータ価値を増幅するとし、JALとの計画的なタイヤ交換オペレーションや、タイヤ個体管理システム「easytrack」の正式運用などを挙げています。また、有価証券報告書は、デジタルフリートソリューション事業をWebfleetとAzugaが担うと記載しています。

公開資料から読み取れること

2025年12月期の決算説明会資料には次の数値が記載されています。

  • 連結売上収益:4兆4,295億円、調整後営業利益:4,937億円(利益率11.1%)
  • ソリューション事業:売上収益1兆4,207億円(連結の売上収益構成比31%)、調整後営業利益1,119億円(前年比143%)、利益率7.9%
  • 内訳の生産財系BtoBソリューション:売上収益3,620億円(前年比105%)、調整後営業利益422億円、利益率11.7%
  • 内訳の小売サービス:売上収益1兆587億円、調整後営業利益697億円、利益率6.6%
  • タイヤ事業(コア事業):調整後営業利益率12.8%

同資料は、2025年末時点で鉱山車両用のネットワーク拠点が約130拠点(うちオンサイトサービス拠点約70)、車両運行管理データを共有する鉱山が約90と記載しています。また、2026年計画の調整後営業利益の伸長指数(2023年=100)で、ソリューション事業は170と示されています。

新規事業への示唆

モノの販売に使用段階のサービスとデータを組み合わせると、成長領域を作れることが、BtoBソリューションの調整後営業利益が前年比182%(利益率は5.0ポイント上昇)となった点から読み取れます。一方で、その実現には現場に密着するサービス拠点や人材(同社はソリューションエンジニア人財の育成を挙げています)といった継続的な投資が前提になります。新規事業でサービス化を検討する際は、既存製品の強みを何で増幅するのか、データをどう収益に結びつけるのか、そして課金の単位を何にするのかを先に設計しておく必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。