Zoomcar Holdings, Inc.
個人間カーシェアリング「Zoomcar」(インド)

国
アメリカ(インドで事業)
上場
米国OTC市場 ZCAR
参照資料
Form 10-K(2026年3月期)

インドで、車を貸したい個人と借りたい個人をつなぎ、予約料をホストと分け合う個人間カーシェアを運営する米国OTC銘柄の事例です。

事業の概要

Zoomcar Holdingsは、Form 10-K(2026年3月期)で、インドのバンガロールに本社を置き、新興国向けのオンラインカーシェアリングのマーケットプレイスを運営していると説明しています。車の持ち主(Host)が自分の車を貸し、短期・中期で車が必要な人(Guest)が借りる仕組みで、持ち主にとっては使っていない車を収益に変える手段と位置づけられています。

同10-Kによると、2021年8月より前は自社保有・リースの車だけを貸し出していましたが、現在は個人の持ち主の車が中心です。また、エジプトとインドネシアでの事業は終了したと記載されています。株式は2025年5月8日からOTC市場で取引されているとあります。

収益の仕組み

同10-Kによると、Guestは予約時に、予約料、旅行保護料、プラットフォーム利用料などを支払います。同社は、Guestが支払う予約料の一部と、GuestとHostから受け取るプラットフォーム料、旅行保護料を収益とし、取引では代理人として扱って収益を純額で計上すると説明しています。

分配については、燃料費などは全額がHostに、旅行保護料などは全額が同社に入り、残りの手数料は、おおむねHostが60%、同社が40%と記載されています。価格は同社のアルゴリズムが提案し、多くのHostはその価格を選ぶと説明されています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(2026年3月期)の数値は次のとおりです。

  • 売上高:915万6,025ドル(前年度は910万5,891ドル)
  • 予約日数(Booking Days):74万3千日(前年度は67万9千日)
  • 総予約額(GBV):2,526万8千ドル(前年度は2,528万3千ドル)
  • 売上原価:442万8,965ドル(前年度は529万6,841ドル)
  • 税引前損失:1,462万1,113ドル、累積赤字:3億4,779万4,918ドル

同10-Kは、継続企業の前提に重要な疑義があると記載しています。予約日数は増えた一方、総予約額はほぼ横ばいで、売上高に対して費用が上回る状況が数字から読み取れます。

新規事業への示唆

個人間シェアは、車を自社で持たない分、手数料率と取扱高の規模が収益を決めます。Zoomcarでは、総予約額のうち同社に残る部分が売上になるため、取扱高が伸びても、固定費を賄える水準に届かなければ赤字が続くことが資料から読み取れます。

新規事業で個人間シェアを検討する場合は、供給者への分配率、保険や補償の費用、運営コストを含めて、何件の取引があれば採算が合うかを先に試算しておく必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。