Zoom Communications, Inc.
Zoom Workplaceの無料プランと有料プラン
- 国
- 米国
- 上場
- NASDAQ ZM
- 参照資料
- FY2026(2026年1月期)Form 10-K
無料ユーザーを入口に有料プランへの移行を促し、サブスクリプションで収益を得るビデオ会議・協働基盤の米国企業の事例です。
事業の概要
Zoom Communicationsは、ビデオ会議や電話、チャットなどを一つにまとめた協働プラットフォーム(Zoom Workplace)などを提供しています。Form 10-K(2026年1月期、FY2026)は、無料ユーザーを引き込むことで、利用者とその会議の参加者にZoomの使い心地を体験してもらい、利用が広がると説明しています。同社はこれを、複数の販売経路と組み合わせるリード獲得モデルと位置づけています。
収益の仕組み
同10-Kによると、収益はサブスクリプションが中心で、収益の認識は契約期間にわたって行われます。同社は、無料の提供プランを使うユーザーに対し、追加機能の案内や製品内の通知で有料プランへの移行を促していると説明しています。一方で、無料ユーザーは有料に移らない可能性があるともリスクとして記載しています。
同社は、コロナ禍で利用が急増した際、その大部分は収益を生まない無料のBasicアカウントによるものだったと記載しており、そのためにインフラ増強の費用が発生したと説明しています。
売上は、企業向けの営業を通じて契約するEnterprise顧客と、ウェブサイトから直接契約するOnline顧客に分かれて開示されています。
公開資料から読み取れること
Form 10-K(FY2026、2026年1月期)の数値は次のとおりです。
- 売上高:48億6,877万ドル(前期は46億6,543万ドル)
- 売上総利益:37億4,973万ドル(売上高比77.0%)
- 営業利益:11億2,363万ドル(売上高比23.1%)
- Enterprise顧客からの売上:売上高の60.3%
- Online顧客からの売上:売上高の39.7%
- Online顧客の月次平均解約率:2.8%(前々期3.1%、前期2.9%)
- 直近12か月の売上が10万ドルを超える顧客:4,468社(前期は4,088社)、売上高の32.8%
- Enterprise顧客のネット・ダラー・エクスパンション率(直近12か月):98%
資料では、無料ユーザー数や有料への転換率は確認できませんでした。
新規事業への示唆
無料の入口が利用者の口コミ的な広がりを生む一方、同社自身が、無料ユーザーは有料に移らないことがあると記載しています。無料版を設けるなら、有料へ移る人の割合と、無料利用者にかかる運営費用の両方を見る必要があります。
Zoomの開示は、個人・小規模の直接契約(Online)と、営業を介する企業向け(Enterprise)で売上が分けられています。無料の入口から始め、利用が広がった組織に対しては営業担当が提案するという二段構えの設計が、開示の区分から読み取れます。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
