Yum! Brands, Inc.
KFC・タコベル・ピザハットのフランチャイズ事業
- 国
- アメリカ
- 上場
- NYSE YUM
- 参照資料
- FY2025(2025年12月期)Form 10-K
KFC・タコベル・ピザハットなどを世界155の国と地域で展開し、店舗の97%をフランチャイズが占める米国企業の事例です。
事業の概要
Yum! Brandsは、KFC、Taco Bell、Pizza Hut、Habit Burger & Grillの4ブランドをレストランとして展開しています。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)によると、2025年末の店舗数は6万3,285店で、国と地域の数は155、フランチャイズの比率は97%と記載されています。
同10-Kは、約1,500のフランチャイジーと契約があり、フランチャイズには「店舗単位のフランチャイズ」と「マスターフランチャイズ」の2つの方式があると説明しています。6万1,000店超のフランチャイズ店のうち約40%がマスターフランチャイズで運営され、その中には中国本土の1万7,000店超が含まれるとされています。
収益の仕組み
同10-Kによると、フランチャイジーは土地・建物・設備・在庫などの資本を自ら負担します。店舗単位のフランチャイズ契約では、開店時などの初期費用、契約更新や譲渡の際の費用に加えて、店舗売上に対する一定率(通常4%〜6%)の継続的な手数料を毎月支払い、一定額を広告・販促に支出することが求められると記載されています。
マスターフランチャイズについては、Yum Chinaが最大のマスターフランチャイジーとして、中国本土の同社ブランドのシステム売上高の3%を継続的な手数料として支払うと説明しています。初期のフランチャイズ料は、契約期間にわたって定額で収益計上すると記載されています。
公開資料から読み取れること
Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。
- 総収益:82億1,400万ドル(前年75億4,900万ドル)
- 内訳:直営店売上29億4,500万ドル、フランチャイズ・不動産収益34億7,300万ドル、広告等のためのフランチャイズ拠出金17億9,600万ドル
- システム売上高(直営・フランチャイズの全店合計):682億9,500万ドル
- 営業利益:25億7,400万ドル(前年24億300万ドル)
- 同社は、資本を「アセットライト(資産を持たない)なフランチャイザー型」に沿って投じる方針と記載しています。
システム売上高682億9,500万ドルに対し、同社の総収益は82億1,400万ドルです。店舗の売上の大半は加盟店の売上であり、同社の収益には手数料などの形で一部が入る構造であることが数字から読み取れます。
新規事業への示唆
複数ブランドで本部機能を共有し、加盟店の売上に連動する手数料を積み上げることで、店舗数の増加が本部の収益増に直結する形になっています。また、国や地域によって店舗単位とマスターフランチャイズを使い分けており、進出先の事情に応じて本部が負う役割と加盟側に任せる範囲を変えられることが分かります。新規事業でフランチャイズ展開を考える際は、手数料の水準だけでなく、地域ごとに誰が運営と資本を担うかの設計を最初に決めておく必要があります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
