WillScot Holdings Corporation
モジュラーオフィス・ポータブルストレージのリース事業

国
アメリカ
上場
NASDAQ WSC
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K

仮設オフィス用のモジュラー建物や収納コンテナ約30万ユニットを貸し出し、貸出中ユニット数と月額賃料で売上が決まる米国企業の事例です。

事業の概要

WillScotは、米国・カナダ・メキシコの約260拠点から、モジュラー建物(仮設オフィスなど)とポータブルストレージ(収納コンテナ)を貸し出す企業です。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)は、同社が「lease fleet」と呼ぶこれらの資産を15の業種に提供していると記載しています。

同10-Kによると、2025年12月末の保有は30万4,000ユニット超で、内訳はモジュラー12万8,000ユニット超、ポータブルストレージ17万6,000ユニット超です。フリートの簿価は31億ドルで、このうちモジュラー約8万7,000ユニット(68%)、ストレージ約9万9,000ユニット(56%)が貸出中と説明しています。

収益の仕組み

同社は、収益の主な変動要因を「貸出中ユニットの平均数」と「ユニット当たりの平均月額賃料」の2つとしています。賃料にはオプション品(家具、電源、通信など)の売上も含まれます。ほかに、配送・設置の手数料、新品や中古ユニットの販売による売上があります。

同10-Kは、2025年の契約時点の平均最低契約期間は12か月未満ですが、顧客が月単位で延長を続けるため、モジュラー賃貸の実質的な平均継続期間は39か月超になったと記載しています。また、モジュラーの経済的耐用年数は平均で20年を超え、新規購入時のユニット単位のIRRは25%超を目標にしていると説明しています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。

  • 売上高合計:22億8,145万ドル(前年比4.8%減)
  • 内訳:賃貸(leasing)17億4,902万ドル、配送・設置3億8,889万ドル、新品販売7,794万ドル、中古(rental units)販売6,560万ドル
  • 貸出中ユニットの年間平均:モジュラー8万9,548、ストレージ10万6,784
  • 平均稼働率:モジュラー59.9%(前年61.9%)、ストレージ51.5%(前年60.0%)
  • 平均月額賃料:モジュラー1,243ドル(4.9%増)、ストレージ286ドル(7.5%増)
  • 調整後EBITDA:9億7,104万ドル、レンタル資産の設備投資:3億1,769万ドル

同社は、売上減少の要因を、貸出中ユニット数の減少(非住宅の建設着工の減少)と売掛金の償却と説明しています。賃料単価は上がる一方で稼働率が下がった点が、数字から読み取れます。

新規事業への示唆

レンタル事業の採算は、保有資産の量、稼働率、単価の3つで決まります。WillScotの数字では、単価を上げても貸出中ユニット数が減れば売上は減っており、稼働率が収益を左右することが分かります。一方で、月単位の延長により平均の継続期間が最低契約期間を大きく上回る点は、貸し出す資産を「契約を延長されやすい形」にしておくことの意味を示しています。新規事業でレンタルを検討する際は、配送・設置や付帯品を含めた1回の貸出の総収入と、資産を何か月貸せば元が取れるかを先に試算しておく必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。