Upwork Inc.
Upworkマーケットプレイス(フリーランス人材と企業のマッチング)

国
米国
上場
ナスダック UPWK
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K

企業とフリーランス人材を結ぶ場を運営し、取引額に連動する手数料のほか広告や会員サービスでも収益を上げる米国企業の事例です。

事業の概要

Upworkは、仕事を発注したい企業(クライアント)と、独立して働く人材(タレント)をオンラインでつなぐマーケットプレイスを運営しています。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)によると、同社のプラットフォームと関連サービスは、2025年に40億ドルの流通額(GSV)を生み、顧客は180以上の国にいると記載されています。GSVの約71%は米国のクライアント由来で、人材側は米国が約25%、次いでインド、フィリピンと説明されています。

プラットフォームには、エスクロー(預託)サービス、承認ワークフロー、紛争解決の仕組みがあり、成果物を確認したうえで支払う設計だと記載されています。

収益の仕組み

同10-Kによると、Upwork Marketplaceの収益は、人材から受け取る「タレントサービス手数料」(人材の請求額に対する一定割合)と、クライアントから受け取る「クライアント・マーケットプレイス手数料」(人材への支払額に対する一定割合)が中心です。これに加えて、広告・マネタイズ商品、人材向けの会員プラン、為替手数料などで収益を得ると説明されています。GSVには、人材が応募や広告に使う仮想トークン「Connects」の購入も含まれます。

別の柱として、大企業向けの人材ソリューション(Lifted)による「Enterprise」収益があります。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。

  • 総売上高:7億8,778万ドル(前年比2%増)
  • 内訳:Marketplace 6億8,288万ドル(3%増、売上の87%)、Enterprise 1億490万ドル(2%減)
  • GSV:40億2,839万ドル(1%増)
  • マーケットプレイスのテイクレート:18.7%(前年は18.0%)。広告とマネタイズ商品の貢献が寄与したと記載
  • アクティブクライアント数:78.5万社(6%減)、1社あたりGSV:5,129ドル(7%増)
  • 当期純利益:1億1,543万ドル(前年は2億1,559万ドル。前年は繰延税金資産に関する非現金の税務上の利益1億4,030万ドルを含む)

GSVはほぼ横ばいでも、テイクレートの上昇によりMarketplace収益が増えた構図が数字から読み取れます。

新規事業への示唆

取引額が伸び悩む局面でも、広告や有料機能などでテイクレートを高めれば収益を伸ばせることが、開示から分かります。一方で、クライアント数は減少しており、場に参加する側の数と取引額の維持が前提になります。サービス売買型のマーケットプレイスでは、手数料を取る側と範囲(売り手側、買い手側、その両方)、支払い保護の仕組みを最初に決めておくことが重要です。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。