United Airlines Holdings, Inc.
MileagePlusとChase提携クレジットカード
- 国
- アメリカ
- 上場
- NASDAQ UAL
- 参照資料
- FY2025(2025年12月期)Form 10-K
提携カード会社へのマイル販売など航空以外の提携から収益を得るMileagePlusを運営し、未使用マイルの繰延収益が7,777百万ドルにのぼるユナイテッド航空の事例です。
事業の概要
United Airlines Holdingsは、MileagePlusという会員プログラムを運営しています。Form 10-K(FY2025)によると、会員は、United、United Express、Star Allianceの加盟社や一部の航空会社での搭乗に加え、クレジットカード会社、小売店、ホテル、レンタカー会社などの航空以外の提携先での購入でもマイルを貯められます。
マイルは、航空券の特典や座席のアップグレード、またはUnited Clubの会員資格、レンタカー、ホテル、物品などの特典に交換できます。
収益の仕組み
同10-Kは、米国居住の会員がJPMorgan Chase発行のMileagePlusカードの利用でマイルを貯められる契約(Co-Brand Agreement)を結んでいると説明しています。同社はChaseにMileagePlusのマイルを販売し、Chaseがカード利用に応じて会員にマイルを付与します。この契約では、ほかに共同マーケティングや、顧客データベースへのマーケティング許可も提供されています。
契約で受け取る対価は、マイルの付与、マーケティングなど複数の履行義務に配分されます。特典航空券の分は搭乗時にPassenger revenue、航空以外の特典の分は提供時にOther operating revenueに計上すると記載されています。
公開資料から読み取れること
- 総営業収益:590億7,000万ドル(前年は570億6,300万ドル、3.5%増)
- Other operating revenue:38億5,300万ドル(3.5億ドル増、10.4%増)。同10-Kは、増加の主因を、Chaseなど非航空パートナーからのマイル収入の増加とUnited Club会員の購入増と説明しています
- Frequent flyer deferred revenue(流動37億2,100万ドル、固定40億5,600万ドル):合計77億7,700万ドル(前年は74億4,100万ドル)
- 2025年に約1,090万件の特典航空券が使われ、総有償旅客マイルの約10.3%に相当
- 特典航空券以外の特典の交換は約430万件
同10-Kは、マイルの大半が2年以内に使われると見込んでいると記載しています。Other operating revenueは、マイル収入以外の項目も含むため、マイル販売だけの金額は資料では確認できませんでした。
新規事業への示唆
同10-Kは、United航空がマイルの重要な購入者であり、特典交換の大半の受け手でもあるため、航空事業の競争力が低下するとプログラムにも悪影響が及びうると、リスク要因に記載しています。ポイントの価値は、使い道となる自社サービスの魅力に左右されることが分かります。
新規事業でポイントを作る場合は、ポイントを買ってくれる提携先(この事例ではカード会社)と、使い道となる自社サービスの質の両方を維持できるかが、設計の分かれ目になります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
