株式会社ストライク
M&A仲介事業(成約報酬のレーマン方式)
- 国
- 日本
- 上場
- 東証プライム 6196
- 参照資料
- 2025年9月期 通期決算説明資料(2025年10月30日)
着手金を無料とし、成約時の報酬を取引金額に応じたレーマン方式で受け取る、東証プライム上場のM&A仲介会社で、報酬体系を公開している事例です。
事業の概要
ストライクは、中堅・中小企業のM&A仲介を行う企業です。2025年9月期通期の決算説明資料によると、売上高は203億1,400万円(前年比12.0%増)、営業利益は63億3,200万円(同6.5%減)、営業利益率は31.2%でした。成約組数は275組(前年は252組)、新規受託数は1,181件、人員数は452人と記載されています。
収益の仕組み
同資料の「報酬体系」には、売手・買手とも着手金は無料、基本合意時に100〜300万円の報酬、成約時に成約報酬を受け取ると記載されています。成約報酬はレーマン方式で、売手は株式・資産等の譲渡金額、買手は譲渡企業の移動総資産を基準に、5億円以下の部分は5%、5億円超〜10億円は4%、10億円超〜50億円は3%、50億円超〜100億円は2%、100億円超は1%の料率を掛ける形が示されています。
同社は、売手が報酬を譲渡金額から負担するため、負担感が重くならないよう譲渡金額を基準にしていると説明しています。また、同資料は、手数料の算定基準や成功報酬の支払い条件を明確化し、営業から独立した部門が成約前に報酬額の妥当性を検証する体制を取ると記載しています。
公開資料から読み取れること
同資料によると、2025年9月期は売上原価が83億9,500万円(前年比28.6%増)、売上原価率が41.3%(前年は36.0%)に上昇しました。コンサルタント数の増加に伴う人件費の増加が理由とされています。成約組数が計画の310組に対して275組にとどまったため、売上高は計画(223億円)を下回ったと説明しています。
同社は、短期のKPIに基本合意組数、中期のKPIに新規受託件数、長期のKPIにコンサルタント数を置き、それぞれ成果が出るまでの期間を、基本合意組数は約3〜6か月、新規受託件数は約8〜12か月、コンサルタント数は中途で約24か月、新卒で約36か月と記載しています。
新規事業への示唆
着手金を無料にすると依頼を受けやすくなりますが、成約しなかった案件の工数は売上になりません。同社は人員を増やして受託件数を増やす一方、成約組数が計画に届かないと原価率が上がることを開示しています。成功報酬型では、成約までの各段階の件数を先行指標として管理することと、人員が成果を出すまでの期間を事業計画に織り込むことが必要になると、この資料から読み取れます。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
