Starbucks Corporation
スターバックスのリワード・ストアードバリューカードとライセンス店舗

国
アメリカ
上場
NASDAQ SBUX
参照資料
FY2025(2025年9月28日終了)Form 10-K

直営店とライセンス店舗を併用し、Starbucks Card(ストアードバリュー)とStars(ポイント)で顧客の来店頻度を高める仕組みを10-Kで説明している米国企業の事例です。

事業の概要

Starbucksは、コーヒーや茶、軽食を直営店で販売するほか、ライセンス店舗やNestléとのGlobal Coffee Allianceを通じて商標を活用しています。Form 10-K(FY2025、2025年9月28日終了)によると、同日時点の店舗数は4万990店で、直営店が2万1,514店(52%)、ライセンス店舗が1万9,476店(48%)です。

収益の仕組み

同10-Kは、直営店の売上が総売上高の83%、ライセンス店舗が12%を占めたと記載しています。ライセンスモデルでは、ライセンス店舗の運営者に販売するブランド商品・資材の利益(margin)と、店舗売上に対するロイヤルティを受け取ると説明しています。運営コストと設備投資はライセンシーが負担するため、同社はライセンス店舗について、売上総利益率は低いものの営業利益率は高いと記載しています。

顧客接点としては、Starbucks Cardを、支払いの利便性、ギフト、来店頻度の向上を目的としたものと位置づけています。登録したカード保有者は多くの市場でStarbucks Rewardsに自動登録され、Stars(ポイント)を獲得できます。Mobile Order and Pay機能で事前注文もできると記載しています。

会計面では、Starbucks Cardの収益は現金のチャージ時ではなく利用(redemption)時に認識すると説明しています。Starsは、付与時に無料商品への交換見込み額を繰延収益として計上するとしています。

公開資料から読み取れること

FY2025の10-Kには次の数値が記載されています。

  • 総売上高:371億8,440万ドル(前年比2.8%増)
  • 内訳:直営店307億4,480万ドル、ライセンス店舗43億5,040万ドル、その他20億8,920万ドル
  • ライセンス店舗の売上は前年比3.4%減
  • 営業利益:29億3,660万ドル(営業利益率7.9%、前年は15.0%)。リストラクチャリング等8億9,200万ドルを含む
  • ストアードバリューカード負債および繰延収益(流動):18億4,060万ドル

ライセンス店舗の比率は北米が40%、国際が54%で、市場によって直営とライセンスの構成が異なることが分かります。同社は、この構成は現地の好立地の確保しやすさや市場の規模などで決まると説明しています。

新規事業への示唆

カードとポイントは、前払い資金(繰延収益)と購買データを得ながら再来店を促す手段として位置づけられています。直営で顧客体験を握る市場と、ライセンスで資本負担を移す市場を使い分ける設計は、店舗を持つ事業が拡大の方法を考える際の参考になります。新規事業では、会員制度の費用(ポイント負債)と、自社運営・他社運営のどちらで拡大するかを、市場ごとに設計する視点が必要です。

本事例は公開資料の整理であり、投資助言ではありません。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。