株式会社スマレジ
スマレジ・タイムカードの無料枠付きスタンダードプランなどのクラウドサービス

国
日本
上場
東証グロース 4431
参照資料
FY2026(2026年4月期)決算短信・決算説明資料(2026年6月12日)

タイムカードで一定人数まで使える無料枠を設け、枠を超えた分を課金するなど、無料プランと有料プランを組み合わせるクラウドPOS企業の事例です。

事業の概要

スマレジは、クラウド型POSレジ「スマレジ」を中核に、キャッシュレス決済、勤怠管理の「スマレジ・タイムカード」、ネットショップ支援などを提供しています。2026年4月期の決算短信は、同社グループはクラウドサービス事業の単一セグメントであると記載しています。

収益の仕組み

決算説明資料(2026年4月期)によると、スマレジ・タイムカードは固定月額と従業者数に応じた従量課金を採用しています。有料契約数の定義には、スタンダード(無料プラン)に従業者数を追加して課金している契約が含まれると記載されています。同資料は、2026年2月にスタンダードプランの無料利用枠を30名から10名に変更し、既存顧客の一部に適用したと記載しています。

その影響で無料枠の一部が有料契約に移り、有料契約数と登録従業者数が増え、ARPA(1契約あたり平均売上)が低下したと説明されています。

POSについても、ARPA・ARPUの算出では、無料プランに紐づくオプション課金を除き、有料プランのみを対象にしていると定義されています。収益の中心は月額利用料などのストック型収益で、決算説明資料は通期平均のストック型収益比率を75.6%と記載しています。

公開資料から読み取れること

2026年4月期の決算短信・決算説明資料の数値は次のとおりです。

  • 売上高:133億4,500万円(前期比20.6%増)
  • 営業利益:32億1,600万円(前期比35.2%増)
  • POSのARR:69.0億円(前年比24.7%増)、有料店舗数4万8,297店舗、MRRチャーン0.48%
  • POSのARPA:2万5,309円、ARPU:1万1,400円
  • タイムカード:ARR 8.3億円(前年比22.9%増)、有料契約数1万1,664(同40.9%増)、登録従業者数29万2,537人(同56.3%増)、ARPA 5,940円(同12.8%減)

同社は、POS利用者のうちクロスセル率(タイムカード併用)は13.1%と記載しています。

新規事業への示唆

無料の枠を見直すと、有料契約数や登録人数が増える一方で、1契約あたりの売上は下がる、という動きが同社の開示から読み取れます。無料枠の大きさは、有料化の数と単価の両方に影響するため、枠の設計を変える際は両方の指標を見る必要があります。

また、POSという主力サービスの利用者に、周辺サービス(タイムカードなど)を無料枠付きで案内する形は、無料の入口から追加サービスの有料契約につなげるクロスセルの一例として読み取れます。資料では、無料プランを使っている利用者数や有料への転換率は確認できませんでした。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。