Shutterstock, Inc.
ストックコンテンツのライセンス販売(Shutterstock ほか)

国
米国
上場
ニューヨーク証券取引所 SSTK
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K(2026年2月提出)

投稿者が提供する画像・動画・音楽などを検索で見つけてもらい、ダウンロードごとに投稿者へ印税を払う米国のコンテンツ販売企業の事例です。

事業の概要

Shutterstockは、画像、映像、音楽、3Dモデルなどのデジタルコンテンツをライセンス販売する米国の企業です。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)は、同社を「ブランドや企業と高品質なコンテンツをつなぐ創造のプラットフォーム」と説明し、検索しやすいコンテンツを顧客がライセンス購入し、投稿者(contributor)はコンテンツが使われるたびに報酬を受け取る仕組みだと記載しています。

同10-Kによると、2025年に収益につながるコンテンツをライセンスした顧客は150か国超で350万社・人超にのぼります。また、投稿者の上位5人が占めるダウンロードは2025年で全体の4%未満だったとされ、同社は「投稿者の層の厚さと多様性を示す」と説明しています。

収益の仕組み

顧客は、ダウンロードの都度購入する方式のほか、月次の定期購入(サブスクリプション)でコンテンツを利用できます。同10-Kは、投稿者は「年間のライセンス量に応じた段階制の報酬率」に基づく印税を、ダウンロードごとに受け取ると説明しています。印税は売上原価に含まれ、売上とダウンロード数にほぼ比例して変動する最大の費用項目とされています。

同社は、画像などのメタデータ(付随情報)を機械学習向けに提供するデータ事業や、GIFの配信・広告、制作を請け負うサービスも「Data, Distribution, and Services」として展開しています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。

  • 売上高合計:9億8,992万5千ドル(前年比6%増)
  • コンテンツ売上:7億8,666万1千ドル(前年比4%増)
  • Data, Distribution, and Servicesの売上:2億326万4千ドル(前年の1億7,525万1千ドルから増加)
  • 定期購入者数(期末):103万2,000件(前年は108万8,000件)
  • 定期購入の売上:4億2,980万ドル
  • 有料ダウンロード数:4億5,310万件
  • 営業利益:7,505万9千ドル、純利益:4,549万6千ドル

同10-Kには、Getty Imagesとの合併契約(2025年1月6日付)についての記載もあります。本稿は、提出時点の10-Kに基づいており、合併の現状は確認していません。

新規事業への示唆

投稿者が自ら商品を登録する仕組みでは、運営側が1点ずつ仕入れなくても品揃えが増えます。Shutterstockは、その品揃えを検索で見つけてもらう設計にしており、上位の少数の投稿者に依存していないことを開示しています。

一方で、売上が増えるほど印税も比例して増えるため、利益率を左右するのは「投稿者への分配率」と「顧客を集める費用」の設計です。また、同社はコンテンツの販売に加えて、蓄積したコンテンツのデータを別の収益源として提供しています。新規事業でも、品揃えそのものを別の用途に使えないかを考える余地があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。