セイコーエプソン株式会社
インクジェットプリンター本体とインク(消耗品)
- 国
- 日本
- 上場
- 東証プライム 6724
- 参照資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日)
インクジェットプリンターの本体と、インクカートリッジ・インクボトルなどの消耗品を販売する企業の事例で、大容量インクタンクモデルへの移行で消耗品の構成が変わっていると記載されています。
事業の概要
セイコーエプソンは、プリンティングソリューションズ、ビジュアルコミュニケーション、マニュファクチャリング関連・ウエアラブルの3つの報告セグメントで事業を営んでいます。2026年3月期の決算短信によると、プリンティングソリューションズ事業セグメントの主要な製品は、オフィス・ホーム用インクジェットプリンター、商業・産業用インクジェットプリンター、プリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンターと「これらの消耗品」などと記載されています。
収益の仕組み
決算短信は、オフィス・ホームプリンティング事業を「本体」と「消耗品」に分けて説明しています。本体はインクカートリッジモデルと大容量インクタンクモデルに分けて販売数量が記載され、消耗品の売上はインクカートリッジ、大容量インクタンクモデルのインクボトル、オフィス共有IJPのインクなどで構成されています。
2026年3月期は、インクカートリッジモデルの本体販売数量が減少し、大容量インクタンクモデルが中東・アフリカの新興国市場やアジア、南米などを中心に増加したと記載されています。消耗品の売上は、インクボトルとオフィス共有IJPのインクが増加した一方、大容量インクタンクモデルへのシフトもあってインクカートリッジの販売減が大きく、前期並みだったと説明されています。
公開資料から読み取れること
2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の決算短信の数値は次のとおりです。
- 連結売上収益:1兆4,133億円(前期比3.7%増)、事業利益838億円(同6.5%減)
- プリンティングソリューションズ事業セグメント:売上収益1兆295億円(同5.0%増)、セグメント利益1,206億円(同3.4%減)。連結売上収益に占める割合は約73%(計算値)
- 事業利益の減少要因として、米国関税による影響などを受けた費用増が挙げられています
決算短信には、消耗品の売上の金額や、本体と消耗品の利益率は記載されておらず、資料では確認できませんでした。
新規事業への示唆
本体の売れ方が変わると、消耗品の売上の中身も変わります。エプソンの資料では、本体の主力がインクカートリッジモデルから大容量インクタンクモデルへ広がる中で、消耗品の売上がカートリッジからインクボトルへ移っている様子が読み取れます。
新規事業でこの型を検討する際は、本体の販売台数に加えて、どの本体モデルでどの消耗品がどれだけ使われるかを分けて追う必要があります。消耗品の形態や単価が変わると、稼働台数が増えても売上が想定どおりにならない場合があるためです。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
