セコム株式会社
オンライン・セキュリティシステム(セキュリティサービス事業)

国
日本
上場
東証プライム 9735
参照資料
2026年3月期 有価証券報告書(第65期、2026年6月提出)・決算短信(2026年5月12日)

契約先に設置した警報機器と監視センターをつなぐオンライン・セキュリティシステムを提供し、セキュリティ契約収入が5,551億円と記載する企業の事例です。

事業の概要

セコムは、有価証券報告書(第65期、2026年3月期)で、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)を中心に、各種のセキュリティサービスを提供していると説明しています。研究開発の項では、1960年代にIoTの先駆けとも言える国内初のオンラインセキュリティシステムを開発したと記載しています。

同報告書によると、契約先での異常を感知するセンサー、出入管理、高齢者のみまもりなどのシステムや商品を開発し、AI・IoT・クラウドを活用した新サービスの供給を続けるとしています。グループ会社には、安全機器の売渡しや技術指導を行う関係があります。

収益の仕組み

同報告書の収益認識の説明によると、警備契約は契約期間にわたり継続的に役務を提供するもので、契約で定められたサービス提供期間に均等に収益を認識します。サービス開始時などに一括で受け取った機器設置工事料も、期間にわたって配分して収益に計上し、設置時に支出した工事費も同じ期間で費用に計上すると記載されています。

設備面では、有形・無形固定資産への設備投資総額972億円のうち、セキュリティサービス事業のシステム設備(警報機器・設備)への投資が384億円を占めると記載されています。リスクの項では、警備契約やリース契約で、契約先が不測の事態に陥った場合に当社の初期投資等が損失になる可能性があると説明しています。

公開資料から読み取れること

2026年3月期の決算短信と有価証券報告書の数値は次のとおりです。

  • 連結売上高:1兆2,568億円(前期比4.7%増)、営業利益:1,603億円(11.1%増)
  • セキュリティ契約収入:5,551億円(前期は5,306億円)
  • セキュリティサービス事業の売上高(外部顧客向け):6,606億円、営業利益:1,238億円
  • 投資活動のうち、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出:704億円

セキュリティサービス事業の増収要因として、同社は、セントラライズドシステムの販売が堅調だったこと、価格改定(値上げ)の影響、常駐警備サービスの増収を挙げています。契約件数は、この資料では確認できませんでした。

新規事業への示唆

セコムは、機器を現場に設置し、監視センターとつなぎ、契約期間にわたって料金を受け取る形で、機器の費用を期間で回収する収益認識をとっています。機器の初期投資が先に出ていくため、契約が続くことが前提になる点は、IoT型の事業設計で押さえるべき点です。

また、同社は機器の開発・製造・設置・監視・駆け付けまでを一体で運営しており、機器の売り切りではなく、サービスの品質を保つ体制そのものが提供価値になっています。新規事業で同様の形を検討する場合は、設置工事と運用体制のコストを料金にどう織り込むかが論点になります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。