Sansan株式会社
営業DXサービス「Sansan」・経理DXサービス「Bill One」

国
日本
上場
東証プライム 4443
参照資料
2026年5月期(2026年7月13日発表)決算短信〔日本基準〕(連結)

契約件数と契約あたり月次ストック売上高、月次解約率を開示し、ストック売上を中心に成長するクラウドサービス企業の事例です。

事業の概要

Sansanは、名刺や請求書、契約書といった企業活動で生じる非定型でアナログな情報をデータ化するクラウドサービスを提供しています。2026年5月期の決算短信によると、事業は「Sansan/Bill One事業」と「Eight事業」の2つのセグメントで構成されています。

前者には、営業AXサービス「Sansan」、経理AXサービス「Bill One」、契約書を管理する「Contract One」などが含まれます。決算短信は、クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力オペレーションを組み合わせてデータ化を行っていると説明しています。

収益の仕組み

決算短信では、「Sansan」の売上高を、継続的に発生する「ストック売上高」と、初期費用など一時的な「その他」に分けて開示しています。「Sansan」は契約件数、契約あたり月次ストック売上高、直近12か月平均月次解約率を、「Bill One」は月次固定収入(MRR)、有料契約件数、有料契約あたり月次ストック売上高、同解約率を開示しています。

同社は、解約率を「既存契約のMRRに占める、解約に伴い減少したMRRの割合」と定義しています。また、顧客企業から契約期間分の料金を一括で受領することなどにより、前受金が増加したと記載しています。

公開資料から読み取れること

2026年5月期の決算短信(2026年7月13日)の数値は次のとおりです。

  • 連結売上高:537億6,100万円(前期比24.4%増)、調整後営業利益:84億2,700万円(同137.0%増)
  • Sansan/Bill One事業の売上高:468億4,700万円(同24.0%増)
  • 「Sansan」売上高:310億8,900万円(同16.2%増)、うちストック売上高291億4,100万円
  • 「Sansan」の契約件数:1万2,199件(前年同期比14.0%増)、契約あたり月次ストック売上高:208千円(同1.0%減)、直近12か月平均月次解約率:0.55%
  • 「Bill One」の売上高:136億7,900万円(同39.7%増)、有料契約件数:5,188件(同31.9%増)、月次解約率:0.34%

決算短信は、「Sansan」の契約件数の増加は主に中小規模の新規契約の獲得によるもので、契約あたりの単価は小幅に減少したと説明しています。

新規事業への示唆

Sansanの資料では、売上を、契約件数と契約あたりの単価、解約率に分解して開示しています。サブスクリプションの新規事業でも、売上が増えた理由が件数の増加によるのか、単価の変化によるのかを分けて捉える枠組みが有効だと分かります。

同社は、ストック売上が四半期ごとに積み上がるため、利益の計上が下半期に偏ると説明しています。契約が積み上がるまで利益が出にくい構造であることを、事業計画の段階で見込んでおく必要があります。また、同社は、1つのサービスに続けて別のサービス(Bill One、Contract One)を展開しており、顧客との継続的な関係を軸に事業領域を広げる動きとして読み取れます。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。