Rent the Runway, Inc.
ファッションレンタル「Rent the Runway」(サブスクリプション・都度レンタル)
- 国
- アメリカ
- 上場
- NASDAQ RENT
- 参照資料
- Form 10-K(2026年1月期、FY2025)
ブランド服を会員どうしで使い回す「共有クローゼット」を月額制などで貸し出し、売上の約9割を会員から得る米国企業の事例です。
事業の概要
Rent the Runwayは、Form 10-K(2026年1月期、同社は「fiscal year 2025」と呼ぶ)で、2009年11月の創業以来「世界初の共有デザイナークローゼット」を築いてきたと説明しています。ブランド服を、月額制の「Subscription」、1点ずつ借りる「Reserve」で貸し出し、借りた商品を買える「Resale」も用意しています。
同10-Kによると、2026年1月31日時点のアクティブ会員は14万3,796人(前年比20%増)、休会を含む会員総数は18万3,552人で、累計の顧客数は約350万人です。
収益の仕組み
売上は「Subscription and Reserve rental revenue」と「Other revenue」の2つです。同10-Kは、売上の大半を会員向けのSubscriptionが占め、同社が重点を置いていると記載しています。月額会費は加入期間にわたって均等に売上計上され、2025年8月に料金の引き上げを実施したとも記載されています。Other revenueは主にレンタル商品の販売による売上です。
商品の調達は、ブランドから直接仕入れる「Wholesale」が2025年度の調達の31%と記載されています。もう一つの「Share by RTR」は、ブランドから委託で商品を預かり、レンタル収入に応じた分配金を後からブランドに支払う方式で、400超のブランドが参加しています。分配金は1回ごとの物流手数料を差し引いて計算されると説明されています。
公開資料から読み取れること
Form 10-K(2026年1月期)の数値は次のとおりです。
- 総売上:3億2,980万ドル(前年比7.7%増)。内訳はSubscriptionとReserveのレンタル売上2億8,600万ドル、その他売上4,380万ドル
- 会員由来の売上比率:90%(前年は88%)
- 売上総利益:1億750万ドル(粗利率32.6%、前年は37.9%)
- 調整後EBITDA:2,490万ドル(マージン7.6%、前年は15.3%)
- 当期純利益:2,260万ドル。同社は、債務再構築益9,630万ドルを計上したためと説明しています
- 営業キャッシュフロー:マイナス350万ドル、累積赤字:11億40万ドル
同10-Kは、会員数が増えた背景として、前年に過去最大の在庫投資を行ったことを挙げています。一方で粗利率は低下しており、売上の増加と利益率が同じ方向に動いていない点が数字から読み取れます。
新規事業への示唆
シェアリングの収益は、商品を何回貸せるかと、その間の維持コストで決まります。Rent the Runwayは、商品を自社で買い取る方式と、委託して稼ぎに応じて分配する方式を併用しており、在庫リスクを誰が負うかを調達方法で調整していることが資料から分かります。
また、月額制にすると、貸す回数を会員の契約期間に置き換えて売上を安定させやすくなります。新規事業で遊休資産や在庫を貸し出す場合も、保有するか預かるかの選択と、課金を都度にするか定額にするかの選択が、在庫投資と利益率の両方に影響すると考えられます。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
