ペプチドリーム株式会社
創薬プラットフォームPDPSの技術ライセンスと創薬共同研究
- 国
- 日本
- 上場
- 東京証券取引所 4587
- 参照資料
- 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月16日)
独自の創薬技術PDPSを製薬会社11社にライセンスし、契約一時金・マイルストーン・ロイヤルティを受け取る日本企業の事例です。
事業の概要
ペプチドリームは、独自の創薬開発プラットフォームシステム「PDPS」を使い、製薬会社との創薬共同研究やPDPSの技術ライセンスを行う日本企業です。2025年12月期決算短信によると、同社は創薬開発事業と放射性医薬品事業の二つを報告セグメントとし、創薬開発事業では、①創薬共同研究開発、②PDPS技術ライセンス、③戦略的提携・自社創薬の拡充の三つを進めていると記載されています。
収益の仕組み
同決算短信によると、PDPSの技術ライセンスは、BMS社、Novartis社、Lilly社、塩野義製薬、小野薬品工業など11社との間で非独占的な契約を結んでいます。同社は各社から、技術ライセンスフィーに加え、開発プログラムの進捗に応じたマイルストーンフィー、上市後の売上高に応じたロイヤルティを受け取る権利を持つと記載しています。
また、創薬開発事業の主要な収益源は、PDPSライセンスに係る契約一時金、マイルストーンフィー、ロイヤルティによる収益と、研究開発業務に係る研究開発支援金であると説明しています。
公開資料から読み取れること
2025年12月期決算短信(IFRS、連結)の数値は次のとおりです。
- 売上収益:185億2,100万円(前期466億7,600万円、60.3%減)
- 営業損益:50億1,300万円の損失(前期は211億1,300万円の利益)
- 創薬開発事業の売上収益:27億9,300万円(前期313億1,300万円)
- 契約一時金・マイルストーンフィー・ロイヤルティによる収入(連結):13億3,800万円(前期295億3,000万円)
同社の売上収益は、契約一時金などの大きな案件の有無で年ごとに大きく動いていることが読み取れます。2026年12月期の業績予想は売上収益320億円ですが、同社は、パイプラインの導出一時金は予想に含めていないと記載しています。なお、同社は放射性医薬品事業でも売上を計上しており、2025年12月期の同事業の売上収益は157億2,800万円です。
新規事業への示唆
自社の技術を複数の相手に非独占で許諾すると、一つの技術から多くの収益機会を持てることが分かります。一方、収益は一時金や開発の節目で入るため、年ごとの振れ幅が大きくなります。新規事業でライセンスを軸にする場合は、収益が入らない年の運営費をどの収益で支えるかを考えておく必要があります。同社が放射性医薬品の製造・販売事業を持っていることも、その対応の一つとして読めますが、同社が意図を説明しているかは資料では確認できませんでした。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
