株式会社日本M&Aセンターホールディングス
M&A仲介事業(中堅・中小企業の事業承継M&A)

国
日本
上場
東証プライム 2127
参照資料
2026年3月期 決算説明資料(2026年4月30日)

譲渡企業と譲受企業を引き合わせ、着手金・業務中間報酬・成功報酬を受け取る、東証プライム上場のM&A仲介会社で、成約件数が減っても売上が増えた事例です。

事業の概要

日本M&Aセンターホールディングスは、中堅・中小企業のM&A仲介を主力とする企業です。決算説明資料(2026年3月期通期)によると、2026年3月期の売上高は502億5,700万円(前年比14.0%増)、営業利益は187億6,100万円で、売上高のうちM&A売上高が484億8,800万円(96.5%)を占めています。

同資料は、譲渡を希望する企業と譲受けを希望する企業の双方に対して、企業評価、企業概要書の作成、マッチング、トップ面談、条件調整、最終契約といった一連のサービスを提供する流れを示しています。

収益の仕組み

同資料の「M&A成約までのサービスの流れ」には、報酬として「着手金」「業務中間報酬」「成功報酬」が示されています。また、受託案件の多くで着手金を受領していると注記しています。成約件数に応じて成功報酬が発生するため、売上は成約の時期に左右されます。

同資料は、売上のうち成功報酬の総額が1億円以上の案件を「大型案件」と区分して開示しています。2026年3月期の大型案件の成約組数は115組(前年比45.6%増)です。

コスト面では、案件紹介料(売上原価)が65億5,700万円で、売上高に対する比率は13.0%(前年比0.8ポイント増)と記載されています。

公開資料から読み取れること

2026年3月期の主な数値は次のとおりです。

  • 成約件数(会社数カウント):1,061件(前年は1,078件)
  • 新規売り受託件数:1,283件(前年は1,432件)
  • 一件当たりM&A売上高:4,570万円(前年は3,960万円)

成約件数と新規受託件数は前年を下回りましたが、一件当たりの売上高と大型案件が増え、M&A売上高は増加しています。同資料は、案件品質を重視した受託方針への転換が成約件数の減少に影響したと説明しています。

新規事業への示唆

成功報酬型の事業では、売上が「成約件数×一件当たり売上高」で決まります。同社の数字は、件数が減っても単価の高い案件を増やすことで売上を伸ばせることを示しています。一方で、成功報酬だけでは成約までの間に収入がないため、同社が着手金や中間報酬を組み合わせていることが資料から分かります。新規事業で成功報酬型を検討する場合は、成約までの期間をどう支えるかと、どの規模の案件を主に扱うかを最初に決める必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。