Marriott International, Inc.
Marriott Bonvoy(ロイヤルティプログラムと提携クレジットカード)

国
アメリカ
上場
NASDAQ MAR
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K

世界9,805軒のホテルを束ねる会員プログラムBonvoyを、提携カード手数料とホテル側の拠出で運営し、予約の約68%を会員が占めるマリオットの事例です。

事業の概要

Marriott Internationalは、2025年末時点で145の国と地域に9,805軒(1,779,936室)のホテルなどを擁しています。同10-Kは、ホテルオーナーとの契約に基づく手数料(フランチャイズ手数料、管理手数料など)を収益源として記載しています。Form 10-K(FY2025)は、Marriott Bonvoyを事業戦略の中心と位置づけ、ブランド群、直販チャネル、会員プログラム(Loyalty Program)を含むと説明しています。

会員は、提携ホテルでの宿泊、提携クレジットカード、提携パートナーでの利用でポイントを貯め、宿泊、航空券、航空会社マイル、レンタカーなどに交換できます。

収益の仕組み

同10-Kによると、ホテルオーナーなどとの契約では、プログラムの運営費用(マーケティング、会員向けサービスなど)を物件が上乗せなしで同社に償還します。物件からは、会員の対象支出の一部に基づく現金拠出を毎月受け取ります。

提携クレジットカードは11か国で展開し、米国ではJPMorgan ChaseとAmerican Expressと複数年契約を結んでいます。同社は、契約時に支払われる固定額と、カード利用に応じて毎月支払われる変動額を受け取ると説明し、この支払いがプログラムの重要な資金源になると記載しています。

公開資料から読み取れること

  • 2025年の宿泊のうち、会員による予約は米国のホテル客室泊数の約75%、全世界で約68%
  • 総収益:261億8,600万ドル(前年は251億ドル)
  • 手数料収益(純額):53億300万ドル。うちフランチャイズ手数料は33億2,500万ドルで、増加要因として提携カードなどのブランド関連手数料(1億500万ドル増)が挙げられています
  • ロイヤルティプログラムに関する繰延収益(負債):79億9,200万ドル(前年は75億1,900万ドル)。ポイント獲得の増加が主因と記載されています

同10-Kは、ポイントが償還される前に失効する見込み(ブレイクエージ)の推定が、収益認識に影響すると説明しています。

新規事業への示唆

Marriottは、ポイントの原資を自社だけでなく、ホテルオーナーの拠出と提携カード会社の支払いに分けて受けています。ポイント費用を事業の外側の相手に負担してもらう構造が、資料から読み取れます。

新規事業でポイントや会員制度を作る場合は、会員が増えることで恩恵を受ける相手(加盟店、提携企業)を特定し、その相手が費用を負担する理由を数字で説明できるかが出発点になります。会員向けの負債が積み上がる点も、設計時に確認が必要です。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。