Lyft, Inc.
Lyftの配車プラットフォームとシェア自転車・スクーター

国
アメリカ
上場
NASDAQ LYFT
参照資料
Form 10-K(2025年12月期)

配車の仲介による手数料を主な収益としつつ、シェア自転車・スクーターや運転手向けのレンタル車も運営する米国のモビリティ企業の事例です。

事業の概要

Lyftは、Form 10-K(2025年12月期)で、配車(ライドシェア)、タクシー、ハイヤー、カーシェアリング、自転車・スクーターを組み合わせた「グローバル・モビリティ・プラットフォーム」を運営していると説明しています。2025年7月に欧州の配車アプリFreenowを買収し、新たに9か国・180以上の都市に事業を広げたと記載されています。

同10-Kは、収益の「ほぼすべて」が、運転手と乗客をつなぐ配車マーケットプレイスから生じていると記載しています。そのため本事例は、個人の運転手の時間と車を使い回す配車の仲介が中心で、シェア自転車などの自社保有型シェアリングは一部という構成です。

収益の仕組み

同10-Kによると、運転手がマーケットプレイスを使う対価として、サービス料と手数料を受け取ります。そのほか、ライセンス・データ提供契約、自転車と駐輪設備の販売、広告、シェア自転車・スクーターの利用料、運転手向けレンタル車プログラム「Express Drive」、企業向けの「Lyft Business」からも収益を得ると記載されています。

Express Driveは、基準を満たす車を持たない運転手に、同社の子会社や提携レンタカー会社が車を貸す仕組みです。自転車・スクーターは、短距離の移動や公共交通の前後の移動を補う手段と説明されています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(2025年12月期)の数値は次のとおりです。

  • 売上高:63億1,630万ドル(前年比9%増)
  • 総予約額(Gross Bookings):185億700万ドル(同15%増)
  • 乗車回数(Rides):9億4,550万回(同14%増)
  • 第4四半期のアクティブライダー:2,920万人(同18%増)
  • 売上原価:36億9,770万ドル。同社は、増加の主因は保険費用の3億3,780万ドルの増加と説明しています
  • 調整後EBITDA:5億2,880万ドル、フリーキャッシュフロー:11億1,560万ドル

売上高は総予約額の約34%にあたります。また、売上原価の増加の主因が保険費用である点から、安全と補償のコストが事業の負担になっていることが読み取れます。

新規事業への示唆

シェアリングでは、資産を持たずに手数料を得る仲介型と、資産を自社で持つ型を同じサービスの中で組み合わせることができます。Lyftは、仲介を中心にしつつ、車を持たない運転手へのレンタルや自転車・スクーターで供給を補っています。

新規事業で取り入れる場合は、仲介だけで供給が集まるか、足りない部分を自社保有で補うかを検討する必要があります。また、保険や補償が売上原価の大きな部分を占める点から、事故やトラブルのコストを料金に織り込む設計が採算を左右すると考えられます。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。