Keurig Dr Pepper Inc.
Keurigのコーヒーメーカー(ブリュワー)とK-Cupポッド

国
アメリカ
上場
NASDAQ KDP
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K

Keurigのブリュワー(本体)の普及を土台に、専用のK-Cupポッドの販売で収益を上げる米国企業の事例で、ポッドの売上が本体の約6倍と記載されています。

事業の概要

Keurig Dr Pepper(KDP)は、清涼飲料とコーヒーを手がける米国企業です。Form 10-K(2025年12月期)によると、同社のU.S. Coffeeセグメントは、単杯抽出式のKeurigブリュワー、スペシャルティコーヒー、RTD(ボトル入り)コーヒーのブランドオーナー・製造者・販売者です。

同10-Kは、同社が価値を生む方法として「Keurigブリュワーの開発・販売と、ブリュワーの家庭への普及を広げること」を挙げ、これがK-Cupポッド向けのコーヒーなどの販売につながると説明しています。また、同社は自社ブランドと許諾ブランドのK-Cupポッドの製造・販売を100%担い、Starbucks、Dunkin'、Folgers、Peet'sなどのパートナーブランド向けにもポッドを製造していると記載しています。

収益の仕組み

同10-Kのリスク要因では、「事業の重要な部分はKeurigブリュワー向けK-Cupポッドの販売に由来する」と書かれ、ブリュワーの家庭普及率の向上が成長計画の重要な要素だと説明されています。ブリュワーの販売が大きく落ち込めば事業に重大な悪影響があり得るとも記載されています。

パートナーブランドやプライベートブランドのポッドの売上は、契約に基づく長期のものだと説明されています。また、同社はブリュワーとコーヒーポッドの技術に関する米国・海外の特許を保有している一方、特定の特許が成功に不可欠とは考えていないとしています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2025)のNote 10「Net Sales」の数値は次のとおりです。

  • 連結売上高:166億300万ドル
  • K-Cupポッド(連結):37億7,700万ドル(前年36億1,400万ドル)
  • 家電(Appliances、主にブリュワー。連結):6億4,600万ドル(前年7億7,200万ドル)
  • U.S. Coffeeセグメントの売上高:39億9,000万ドル。内訳はK-Cupポッド32億1,300万ドル、家電5億8,200万ドル

U.S. Coffeeセグメントでは、ポッドの売上が家電の約5.5倍です(計算値)。前年と比べると、同セグメントのポッドは31億1,200万ドルから32億1,300万ドルへ増え、家電は6億9,400万ドルから5億8,200万ドルへ減っています。本体の売上が減る年でも、ポッドの売上は増えていたことが分かります。

なお、同資料では、本体の販売価格や本体の利益率、家庭への設置台数は確認できませんでした。

新規事業への示唆

本体で稼ぐのではなく、本体を使い続ける人が買う消耗品で稼ぐ設計では、本体の売上そのものよりも、普及している本体の台数が収益の土台になります。KDPの数字では、本体の売上が減った年にもポッドの売上は増えており、本体売上と消耗品売上は別々の動きをしうることが読み取れます。

一方で、ポッドの売上の多くを占める自社の消耗品について、パートナーブランドの製造受託も組み合わせている点も特徴です。新規事業で同様の型を検討する際は、本体の普及に向けた投資と、消耗品の供給体制や他社ブランドとの組み方を、あわせて設計する必要があることが分かります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。