KDDI株式会社
au経済圏(au PAY・auじぶん銀行・Pontaパス)

国
日本
上場
東証プライム 9433
参照資料
2026年3月期(2026年3月期決算短信、決算説明会資料、決算詳細資料、2026年5月12日公表)

携帯電話の契約者基盤に、au PAY、カード、銀行、Pontaパスなどの金融・決済サービスを連携させ、金融事業収入を伸ばしているKDDIの事例です。

事業の概要

KDDIは、「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドで5G通信サービスを提供しています。決算短信(2026年3月期)は、通信を中心に、金融、エネルギー、LX(ライフトランスフォーメーション)などの各種サービスを連携させ、新たな付加価値や体験価値の提供をめざすと記載しています。

決算説明会資料(2026年5月12日)では、金融事業を担うauフィナンシャルホールディングスが「注力領域」の一つとして挙げられ、同社の営業利益は23.3期の195億円から26.3期の432億円へ推移しています(同資料のグラフによる)。

収益の仕組み

決算詳細資料によると、金融事業収入は「auフィナンシャルホールディングス売上高とKDDI単体のau PAY売上高の合算値」として示されています。決済・金融取扱高は、au PAY決済額(auかんたん決済を含む)、au PAYカード決済額、auじぶん銀行決済額、ローン実行額を合算した指標です。

ポイントについては、決算短信の会計方針に、モバイル通信サービスの請求額に応じてお客さまへポイントを付与するカスタマー・ロイヤルティ・プログラムを設けていると記載されています。付与したポイントは、将来の失効を見込んだ見積利用率をもとに取引価格を配分して処理すると説明されています。

公開資料から読み取れること

2026年3月期の連結売上高は6兆719億円(前期比4.1%増)です。決算詳細資料の主な指標は次のとおりです。

  • 決済・金融取扱高:年間23兆7,690億円(前期は21兆4,420億円)
  • au PAY会員数とau PAYカード会員数の合計:5,124万会員(2025年3月末は4,799万会員)
  • うちau PAYカード会員:1,082万会員、うちau PAYゴールドカード会員:195万会員
  • auじぶん銀行の預金口座数:729万口座、ローン商品残高:5兆9,510億円
  • Pontaパス(Pontaパス、同ライト、menuスマートパスの合算):1,562万会員
  • 金融事業収入:3,916億円(前期は3,180億円)

通信の契約基盤の上に、決済、カード、銀行などの指標が並んでいることが、資料から確認できます。会員の重複や、サービス間の相互利用率は資料では確認できませんでした。

新規事業への示唆

通信のように継続的に使われるサービスを持つ企業は、その利用者に決済や金融を重ねることで、収益源を増やす道があります。KDDIの資料は、個別サービスの数字を並べて、取扱高や会員数で全体を把握しています。

新規事業でポイント経済圏を考える場合は、入口になる高頻度サービスと、ポイントの使い道となる提携先の両方が必要です。ポイント費用を何で回収するかを、取扱高や手数料と合わせて見積もっておくことが前提になります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。