株式会社インテージホールディングス
パネルデータ・リアルワールドデータ事業(SCI、SRI+など)

国
日本
上場
東証プライム 4326
参照資料
2026年6月期決算短信(2026年8月5日)・決算説明資料(2026年8月7日)

消費者・小売店・医薬品などのパネルデータや処方情報のデータベースを提供し、市場調査とあわせて収益化する日本の市場調査会社の事例です。

事業の概要

インテージホールディングスは、市場調査を中核とするグループの持株会社です。2026年6月期の決算説明資料(2026年8月7日)では、2026年度から報告セグメントを「Insight」と「Data Tech」に変更すると説明しています。Insightセグメントの「データプラットフォーム事業」は、パネルデータ(消費者、小売店、医薬品など)とリアルワールドデータ(レセプトや処方情報など)のデータベースに係る事業と記載されています。

2026年6月期までのセグメントでは、パネル調査にSRI+、SCI、Impact Track、処方箋DBなどが含まれると説明されています。

収益の仕組み

同資料のセグメント別開示では、売上が「パネル調査」「カスタムリサーチ(CR)」「コミュニケーション」などの商品別に示されています。パネル調査は、値上げや新規契約の獲得により伸びたと説明されており、同社は営業利益の増加要因として「収益性の高いパネル調査の増収」を挙げています。

第15次中期経営計画では、従来の姿を「労働集約型」「フロー型(単発受注)」とし、目指す姿を「高付加価値ストック型(SaaS型)」「AI活用の原資となるデータ資産」と記しています。主力のパネルデータをAIが使いやすい形に拡張し、課金モデルを多様化する「AIデータプラットフォーム」を成長ドライバーに挙げています。

公開資料から読み取れること

2026年6月期の数値は次のとおりです(決算説明資料)。

  • 連結売上高:670億9,900万円(前期比2.3%増)、営業利益:57億5,200万円(同35.6%増)
  • マーケティング支援(消費財・サービス):売上471億4,900万円、うちパネル調査154億2,400万円(同3%増)、カスタムリサーチ145億400万円
  • マーケティング支援(ヘルスケア):売上125億9,300万円、うちパネル調査42億100万円(同10%増)、営業利益率21.3%
  • 親会社株主に帰属する当期純利益:17億300万円(同51.4%減。関連固定資産の減損損失などが影響したと説明)

同社は、AIデータプラットフォームの資料で、対象顧客の「パネルルーチン」を約400社と図示しており、第15次中計で2030年度に売上高1,100億円、営業利益125億円を計画しています。

新規事業への示唆

データを集めて整える事業でも、単発の調査と継続的に提供するデータでは、売上の性質が異なります。同社は、単発受注中心の構成から、継続して使われるデータ基盤型へ移行する方針を示しており、データ事業の収益を安定させる方法の一例です。

一方、同社の資料では、新しい調査基盤(新SCI)への切替に伴う二重コストが利益を圧迫し、切替完了後に投資減で利益が改善したと説明されています。データの品質を保ちながら基盤を更新するための費用が、利益に影響することが読み取れます。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。