GitLab Inc.
GitLab(DevSecOpsプラットフォーム)

国
アメリカ
上場
NASDAQ GTLB
参照資料
FY2026(2026年1月期)Form 10-K

オープンコアを掲げ、無料版で開発者を取り込みながら有料サブスクリプションで収益を得る、DevSecOpsプラットフォーム企業の事例です。

事業の概要

GitLabは、ソフトウェア開発の計画から運用までを一つにまとめたDevSecOpsプラットフォームを提供する企業です。Form 10-K(2026年1月期)によると、同社は自社を「オープンコア(open-core)のビジネスモデルで構築された唯一のインテリジェントなオーケストレーションプラットフォーム」と位置づけ、5,000万人超の登録ユーザーがいると記載しています。ARRが5,000ドル超の顧客を「Base Customers」と定義し、2026年1月31日時点で10,682社(前年は9,893社)としています。

収益の仕組み

同10-Kは、Free、Premium、Ultimateの3つのプランを提供していると説明しています。Freeは個人開発者の参入障壁を下げるもので、上位機能のトライアルも提供するとされています。課金は、ライセンスされたユーザー数に基づくシート課金が基本で、AI機能(GitLab Duo Agent Platform)にはGitLab Creditsによる従量課金も用意していると記載されています。

無料と有料の線引きについて、同社は次のように説明しています。主に個人の貢献者が関心を持つ機能はオープンソースとし、主にマネージャーや役員が関心を持つ機能はソース公開(source-available)の有料機能とする、という考え方です。また、開発ライフサイクルの全段階に無料で使える機能を用意することで、利用の広がりを促すとしています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(2026年1月期)の数値は次のとおりです。

  • 総売上:9億5,522万ドル(前年比26%増、前年は7億5,925万ドル)
  • 内訳:サブスクリプション(セルフマネージドとSaaS)8億6,470万ドル、ライセンス(セルフマネージド等)9,052万ドル
  • Dollar-Based Net Retention Rate:118%(前年は123%)
  • ARRが10万ドル以上の顧客:1,456社(前年は1,229社)
  • 純損失:5,856万ドル(前年は912万ドルの純損失)

サブスクリプションが売上の約9割を占めています。同社は、売上増加の要因として新規顧客の獲得、既存の有料顧客内での拡大、10万ドル以上のARR顧客の増加を挙げています。また、販売・マーケティング費用には無料ティア向けのクラウドインフラ費用が含まれると記載されており、無料版の維持にもコストがかかることが読み取れます。

新規事業への示唆

オープンコア型は、無料版で利用者を広げ、コミュニティからの貢献も受けながら、組織としての購買者が必要とする機能を有料化することで収益につなげる設計です。誰が使い、誰が購入するのかを分けて、無料にする機能と有料にする機能の線を引くことが、この型の中心になります。新規事業で無料提供を使う場合は、無料利用に伴うコストと、有料転換・拡大(シート数やプランの上位化)による収益の関係を、あらかじめ数字で見通しておく必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。