Fabrinet
光通信機器などの精密製造受託(光学パッケージング・EMS)
- 国
- ケイマン諸島(製造拠点はタイ)
- 上場
- NYSE FN
- 参照資料
- FY2026(2026年6月期)Form 10-K(2026年8月提出)
光通信・車載・産業用レーザーなどのOEM顧客から製造を受託し、主にタイの工場で生産する企業。売上の57.4%が顧客4社に集中していると記載されています。
事業の概要
Fabrinetは、光通信部品、産業用レーザー、車載部品、医療機器、センサーなどを手がけるOEM顧客に対し、先進的な光学パッケージングと、精密な光学・電気機械・電子の製造サービスを提供しています。Form 10-K(2026年6月期)によると、工程設計、サプライチェーン管理、製造、複雑なプリント基板実装、先端パッケージング、組み立て、試験までを手がけ、顧客によっては同社が唯一の製造委託先になっていると説明しています。主な製造拠点はタイにあると記載されています。
収益の仕組み
同10-Kによると、顧客との供給契約には、価格と定期的な価格見直し、顧客固有の生産設備の同社への貸与(consignment)、同社のコスト削減努力による効果の分配などが含まれます。同社は、顧客の需要見通しに基づいて材料を調達する義務を負う一方、顧客は同社が顧客の需要に沿って製造した完成品を購入する義務を負うと説明しています。一定期間内に消費されない材料や製品終了で不要になった材料は、過剰・陳腐化在庫として扱われると記載されています。
光学製品は認定プロセスが長く、顧客製品の認定と実地試験には3〜6か月以上かかることがあると同社は述べています。
公開資料から読み取れること
Form 10-K(2026年6月期)の数値は次のとおりです。
- 売上高:46億4,110万ドル(前期の34億1,930万ドルから35.7%増)
- 売上総利益:5億5,650万ドル(売上高比12.0%、前期は12.1%)
- 営業利益:4億6,289万ドル(売上高比10.0%)
- 当期純利益:4億7,303万ドル
- 売上の内訳:データセンター向け47.9%、通信インフラ向け33.3%
- 売上高の10%以上を占める顧客:4社(Cisco 19.9%、NVIDIA 16.3%、Nokia 10.7%、Amazon.com 10.5%)で合計57.4%(前期は2社で45.8%)
売上総利益率は12%程度であり、製造受託では材料費が売上の大部分を占める構造が数字から読み取れます。また同社は、顧客集中により特定顧客の発注減少が業績に重大な影響を与えうると、リスクとして記載しています。
新規事業への示唆
受託製造では、材料費の比率が高く粗利率が低めになりやすい一方、認定に数か月かかる製品では、一度採用されると顧客との関係が続きやすい面があります。Fabrinetは、顧客設備の預かりやコスト削減の分配といった条件を契約に盛り込んでいます。新規事業で受託に取り組む場合は、どの工程・どの産業の認定要件を満たせるかを明確にし、同時に、上位顧客への売上集中が高まる点を前提に営業先の分散を計画に入れる必要があります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
