エン株式会社(旧:エン・ジャパン株式会社)
エン転職などの求人メディアと人材紹介事業

国
日本
上場
東証プライム 4849
参照資料
2026年3月期 通期決算説明資料(2026年5月14日)

求人メディアで集めた求職者データを人材紹介の成約売上へ活かす方針を示す、日本の人材サービス企業の事例です。

事業の概要

エン株式会社(2026年5月の決算説明資料では「旧:エン・ジャパン株式会社」と記載、東証プライム 4849)は、求人・求職メディア、人材紹介、活躍・定着支援サービスなどを展開する企業です。2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)通期の決算説明資料によると、国内の採用サービスでは「エン転職」(一般企業向け)、ミドル層向けの「ミドルの転職」、ハイクラス向けの「AMBI」などを運営し、人材紹介会社や人材派遣会社の求人を掲載するサイトも持つと説明しています。

収益の仕組み

同資料は、主な事業を「メディア」(エン転職、engage、ミドルの転職など)、「エージェント」(人材紹介)、教育・評価サービス、海外などのセグメントに分けて開示しています。料金体系の詳細(掲載料の課金方式や成功報酬の料率)は、今回確認した資料には記載がありません。

資料では、自社の求職者データベースを活用した人材紹介事業について、成約売上のポテンシャルを220〜300億円とし、現状の自社活用率は約15%にとどまると説明しています。求職者データを持つメディアと、成約に連動する人材紹介を組み合わせる方向性が示されています。

公開資料から読み取れること

2026年3月期の連結業績は、次のとおり記載されています。

  • 売上高:590億9,300万円(前期比10.0%減)
  • 営業利益:39億6,200万円(同32.7%減)
  • 当期純利益:26億1,600万円(同65.7%減。前期はタイミー社株式の売却益54.3億円を計上)
  • エン転職の売上高153.0億円(12.0%減)、エージェントの売上高108.5億円(9.4%増)
  • 利用企業数:エン転職5,546社(1.3%増)、ミドルの転職・AMBI 1万762社(6.6%減)
  • 求職者会員数:エン転職1,269万人、ミドルの転職・AMBI 480万人

同社は構造改革として、engage事業を2026年4月1日にカカクコム社へ承継し、広告宣伝費と人件費を削減する一方、人材紹介の強化、back check買収によるリファレンスチェック、AI面接などへの投資を進めると説明しています。

新規事業への示唆

メディア事業が減収となる中、同社は求職者データベースを人材紹介という成約連動型の収益につなげる方針を示しています。マッチング事業では、掲載型の収益だけに頼らず、蓄積したデータをどの収益モデルで活用するかが論点になることが分かります。また、事業の選択と集中、広告宣伝費の最適化も開示されており、ユーザー獲得コストが収益性に与える影響の大きさもうかがえます。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。