Domino's Pizza, Inc.
ドミノ・ピザのフランチャイズとサプライチェーン事業

国
アメリカ
上場
NASDAQ DPZ
参照資料
FY2025(2025年12月28日終了年度)Form 10-K

世界の店舗の約99%をフランチャイズで運営し、ロイヤルティに加えて生地・食材の供給で収益を得る、ピザチェーンの事例です。

事業の概要

Domino's Pizzaは、ピザのデリバリーとテイクアウトのチェーンを世界で展開する企業です。Form 10-K(2025年12月28日終了年度)によると、同社は「主にフランチャイザー」であり、2025年12月28日時点で世界の店舗の約99%が独立したフランチャイジーによって所有・運営されています。米国では754のフランチャイジーが6,924店を運営し、同社の直営店は262店、海外のフランチャイズ店は14,956店と記載されています。

海外では、国や地域単位の権利を与えるマスターフランチャイズ契約が大半を占めるとされています。

収益の仕組み

同10-Kは、収益の源泉を次のように説明しています。

  • フランチャイズのロイヤルティと手数料:売上に連動する継続的な手数料です。米国の標準契約では売上の5.5%のロイヤルティと技術手数料を支払うと記載されています。
  • 米国の広告収入:米国の店舗は売上の原則6.0%を全国広告基金に拠出します。
  • サプライチェーン:生地などの食品や関連商品を、米国・カナダを中心に加盟店へ販売します。
  • 直営店の売上

サプライチェーン部門について、同社は、効率・利便性・コストの面で最も有利な選択肢を提供しているため、加盟店が自発的に利用していると説明しています。米国・カナダで全ての食材を同社の供給センターから調達する加盟店と直営店には、供給センター利益(税引前)の50%を還元するプロフィットシェアの仕組みがあると記載されています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(2025年度)の数値は次のとおりです。

  • 総売上:49億4,000万ドル(前年比5.0%増)
  • 内訳:サプライチェーン29億8,950万ドル(60.5%)、米国フランチャイズのロイヤルティ・手数料6億7,710万ドル(13.7%)、米国フランチャイズの広告5億5,950万ドル(11.3%)、米国直営店3億7,520万ドル(7.6%)、海外フランチャイズのロイヤルティ・手数料3億3,870万ドル(6.9%)
  • グローバル小売売上高:201億2,680万ドル(米国99億5,290万ドル、海外101億7,390万ドル)
  • 米国の小売売上の85%超がデジタル経由

総売上の約6割をサプライチェーンが占めており、ロイヤルティ収入に加えて、加盟店への仕入れ供給からも収益を得る構造であることが数字から読み取れます。

新規事業への示唆

フランチャイズでは、ブランド使用料を売上連動にするだけでなく、加盟店が日々必要とするもの(原材料の供給、注文システム、広告など)を本部が提供し、その利用を促すことで、一つの店舗から得られる収益を厚くできます。Domino'sは、供給を利用した加盟店に利益を還元する仕組みを、本部と加盟店の利益を揃えるものとして説明しています。新規事業でフランチャイズを検討する場合は、ロイヤルティの料率だけでなく、本部が加盟店に継続的に提供する価値と、それによって得られる収益の構成を設計することが重要になります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。