クリアル株式会社
不動産クラウドファンディング「CREAL(クリアル)」
- 国
- 日本
- 上場
- 東証グロース 2998
- 参照資料
- 第15期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月提出)、2027年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(2026年8月13日)
一口1万円から不動産ファンドに投資できる投資型クラウドファンディングを自社運営し、組成・運用・売却の各段階で手数料を得る日本企業の事例です。
事業の概要
クリアルは、不動産ファンドのオンラインマーケット「CREAL」を運営しています。有価証券報告書(第15期、2026年3月期)は、CREALを「クラウドファンディングを活用した不動産ファンドオンラインマーケット」と説明し、投資家が一口1万円から、登録から投資までをオンラインで完結できると記載しています。会社が事前に設定した分配金リターンを目的とする投資で、投資後の管理・運用・売却は会社に任せる仕組みです。
同社は資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントで、CREALのほか、機関投資家や超富裕層向けの「CREAL PRO」(1億円〜)、実物不動産への投資サービス「CREAL PB」(1,000万円〜)を展開しています。
収益の仕組み
同報告書によると、CREALの業務は、物件を選定してファンドを組成し、サイト上で投資家を募集、成立すれば募集した資金で対象不動産を購入する流れです。収益は次の手数料で構成されると記載されています。
- アップフロント・フィー:ファンド組成時
- アセットマネジメント・フィー:運用期間中(GMV×手数料率)
- エグジット・フィー:運用終了時の不動産売却時
- プロフィットシェア:売却益が目標利益を上回った場合(売却益−目標利益)
同社は、GMV(ファンド組成のため投資家から調達した資金額)が増えれば各種フィーも増えるとして、ECサイトのフィーモデルに近い体系だと説明しています。また、日本航空などの提携パートナーが顧客を紹介する報酬として、顧客から受け取る手数料の一部を分け合うとも記載されています。
公開資料から読み取れること
有価証券報告書(2026年3月期)の数値は次のとおりです。
- CREALのGMV:313億9,100万円(前期は256億8,700万円)
- CREALの売上総利益:43億9,679万円(前期は22億1,937万円)
- 連結の売上高377億9,504万円(前期比9.6%減)、売上総利益77億9,901万円、営業利益29億4,164万円
- 2026年3月末時点の投資家会員数13.8万人、累計投資金額1,047億円
同報告書は、2025年6月に不動産特定共同事業法の第3号・第4号に係る許認可を取得し、SPC(特別目的会社)を活用してファンドを運営できるようになったと記載しています。売上高の減少は主にCREAL PROでバランスシートを使った物件売却がなかったためと説明されています。2027年3月期第1四半期の売上高は7,377百万円(前年同期比26.7%減)、営業損失は206百万円です。
新規事業への示唆
クラウドファンディングの運営者は、資金を集める場を提供するだけでなく、案件の組成と運用まで自社で行うことで、取扱額に連動する手数料を段階的に得る設計にできます。クリアルの資料では、手数料を取る時点を組成・運用・売却に分け、成果が出たときの成功報酬を加えている点が確認できます。
この型は、規制と信頼が事業の前提になります。同社は許認可の種類によってファンドの運営方法が変わったと説明しています。投資型を検討する場合は、取り扱う商品に必要な許認可、案件を継続的に調達できる体制、投資家への情報開示の方法を先に設計する必要があります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
