Confluent, Inc.
Confluent Cloud・Confluent Platform(Apache Kafkaを基盤とするデータストリーミング)

国
米国
上場
NASDAQ CFLT
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K(2026年2月11日提出)

オープンソースのApache Kafkaを土台に、クラウドの従量課金と自社運用向けの年間契約で収益を得る米国企業の事例です。

事業の概要

Confluentは、オープンソースのApache Kafkaを基盤にした「Data Streaming Platform」を提供する米国企業です。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)は、Kafkaを「最も成功したオープンソースプロジェクトの一つ」で、Fortune 500の80%超で使われていると推定されると記載しています。同社はKafkaへのコード貢献やコミュニティ支援を続けているほか、自社で開発した機能の多くをConfluent Community License(ソースコードの閲覧・改変が可能)で提供していると説明しています。

収益の仕組み

同10-Kによると、収益の大半は購読(subscription)で、サービス(プロフェッショナルサービス・教育)が一部です。提供形態は次の2つが中心です。

  • Confluent Cloud:同社が運用するフルマネージドのクラウドサービス。収益の大半は利用量に応じて認識されると記載されています
  • Confluent Platform:顧客が自社環境で運用する形で、年間または複数年の契約で提供。期間ライセンスと、サポート・保守・アップグレード(PCS)を含みます

同社は、Kafkaを自社で運用する場合に比べ、Confluent導入顧客は市場投入の短縮とコスト低減を得やすいと説明しています。無償のOSSと有償サービスの差を、運用負荷の削減と企業向け機能に置いていることが分かります。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。

  • 総売上高:11億6,675万ドル(前年9億6,364万ドルから約21%増)
  • 購読収益:11億1,972万ドル、サービス収益:4,702万ドル
  • 純損失:2億9,528万ドル(前年は3億4,507万ドル)
  • Confluent Cloudの売上高比率:54%(前年51%)
  • Confluent Platformの購読収益に占める割合:44%(前年47%)
  • 年間経常収益(ARR)10万ドル以上の顧客:1,521社(前年1,381社)
  • ドルベースのネット・リテンション率(NRR):114%。同社は、Cloudの消費ベース販売への移行などで当面は抑えられる見込みと説明しています

同10-Kには、IBMとの合併契約(提案中の合併)に関する記載もあります。

新規事業への示唆

OSSを土台にする場合でも、有償化の入口を複数持てることが、Confluentの開示から分かります。自社運用の顧客には契約型のライセンス・サポートを、運用を任せたい顧客には従量課金のクラウドを用意し、売上の比重がクラウド側へ移っています(Cloud 51%から54%へ)。

一方で、利用量に応じた課金は、顧客の消費の増減が売上に反映されます。同社も、使用量連動のため四半期ごとに収益が変動しうると記載しています。OSS事業では、無償版との差別化、クラウドの運用コスト(赤字の継続)、売上の変動性を合わせて設計する必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。