Cloudflare, Inc.
Cloudflareのグローバルネットワークと開発者向けプラットフォーム(Workersなど)
- 国
- 米国
- 上場
- ニューヨーク証券取引所 NET
- 参照資料
- FY2025(2025年12月期)Form 10-K
無料プランやカード払いで始められる自社ネットワークと開発者向け基盤を提供し、契約と従量の両方で課金する米国企業の事例です。
事業の概要
Cloudflareは、自社のグローバルネットワーク上で、セキュリティ、性能向上、信頼性などのサービスを提供する米国企業です。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)によると、同ネットワーク上でサーバーレスのコード実行基盤「Cloudflare Workers」やキーバリュー型ストレージ「Workers KV」、機械学習モデルを動かす「Workers AI」など、開発者向けの製品も提供しています。
同社は、開発者向けの製品を「保管と計算」という新しい市場を開いたものと位置づけ、パブリッククラウド事業者と競合する場面が増えていると説明しています。
収益の仕組み
同10-Kによると、顧客は大きく三つに分かれます。無料プランの顧客、クレジットカードで月次・年次に支払う「従量課金(pay-as-you-go)」顧客(ProまたはBusinessプラン)、1〜3年の契約を結ぶEnterpriseプランの契約顧客です。無料顧客は個人開発者、初期のスタートアップ、趣味の利用者などが中心で、同社は、無料顧客が規模の拡大とブランド認知に役立つと記載しています。
開発者向けのサーバーレス製品は、リクエスト数と実行時間で測る利用量ベースのプランで提供されると説明されています。売上の大半は、ネットワークと製品を利用する権利に対するサブスクリプションと保守の料金で、契約期間にわたり均等に認識され、超過帯域の利用料などの利用ベースの料金はその期に認識されると記載されています。
公開資料から読み取れること
Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。
- 売上高:21億6,790万ドル(前年比30%増)
- 売上総利益:16億1,541万ドル(売上総利益率75%、前年は77%)
- 有料顧客数:33万2,466社(前年は23万7,714社)
- 年換算売上が10万ドルを超える有料顧客:4,298社(前年は3,497社)
- ドルベース・ネット・リテンション・レート:120%(2025年10〜12月期)
同社は、売上増加の主因を新規の有料顧客の増加(年間40%増)と、既存の有料顧客内での拡大と説明しています。
新規事業への示唆
Cloudflareの10-Kからは、無料プランで開発者を集め、カード決済のセルフサービスで有料化し、大口顧客には契約と営業で対応するという、顧客の規模に応じた複数の入口を持つ構造が読み取れます。開発者向けの利用量課金の製品は、顧客が使う量に応じて売上が増える一方、同社自身がリスクとして、利用を続ける義務や増やす義務が顧客にないことを挙げています。新規事業で開発者向けの基盤を提供する場合は、無料枠から有料へどこで切り替わるか、また大口顧客向けの契約にどんな約束を入れるかを、顧客層ごとに分けて設計する必要があります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
