Bright Horizons Family Solutions Inc.
企業の福利厚生としての保育・バックアップケア・教育支援サービス

国
米国
上場
ニューヨーク証券取引所 BFAM
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K

企業が従業員向けの福利厚生として契約する保育・バックアップケア・教育支援を提供し、利用者は従業員という構造の米国企業の事例です。

事業の概要

Bright Horizonsは、早期教育・保育、バックアップケア(急な事情で通常の預け先が使えないときの代替ケア)、教育支援(Educational Advisory)を提供する企業です。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)によると、サービスは主に、福利厚生の一環としてこれらを提供する雇用主(employer-client)との複数年契約のもとで提供されています。

同10-Kは、2025年末時点で1,450以上の雇用主にサービスを提供し、うちFortune 500企業は220社以上と記載しています。また、米国・英国・オランダ・オーストラリア・インドで1,010の保育施設を運営し、収容能力は約11万5,000人としています。

収益の仕組み

同10-Kは3つのセグメントを示しており、2025年の売上構成は、保育施設運営(Full service center-based child care)が71%、バックアップケアが25%、教育支援が4%です。

  • 保育施設運営:雇用主との契約には、施設の運営管理に対して費用に利益を上乗せした額を受け取る「コストプラス型」と、同社が運営リスクを負い雇用主の従業員を優先・専属で受け入れる「P&L型」があると説明されています。収益の中心は保護者が支払う月額の保育料で、雇用主からの運営管理料や運営補助金も含まれます。契約期間は一般に3〜10年とされています。
  • バックアップケア:収益は主に雇用主が支払う料金で、利用者が利用時に支払う自己負担額は「より小さい部分」とされています。料金は、購入した利用回数に基づき、一定の利用回数分の固定額の場合と、利用ごとの従量払いの場合があると記載されています。契約期間は一般に3年です。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。

  • 売上高合計:29億3,361万ドル(前年比9.2%増)
  • 内訳:保育施設運営20億8,112万ドル(保育料18億9,574万ドル、運営管理料・補助金1億8,538万ドル)、バックアップケア7億2,799万ドル(前年比19.3%増)、教育支援1億2,450万ドル
  • 営業利益:3億1,467万ドル(売上比10.7%)
  • 過去10年間の顧客維持率:約95%と同10-Kは記載しています(同社の説明であり、算出方法の詳細は本文では確認していません)

保育施設運営では、売上の約9割が保護者からの保育料で、雇用主からの運営管理料・補助金は1割弱にとどまります。一方、同社は雇用主との契約が転換コストを生み、顧客の定着につながっていると説明しています。契約の相手方(雇用主)と実際の利用者(従業員・保護者)が別であることが、売上の内訳にも表れています。

新規事業への示唆

払う人と使う人が別になるBtoBtoCでは、雇用主には「採用・定着・生産性」という導入理由を、従業員には使いやすさを示す必要があります。Bright Horizonsは、同じ雇用主に複数のサービス(保育施設、バックアップケア、教育支援)を提供しており、雇用主との関係を足場にサービスを重ねる形が読み取れます。

また、バックアップケアのように、固定の利用枠と従量払いを選べる設計は、雇用主にとって導入しやすい価格の作り方の一例です。ただし、保育施設は人員や拠点を伴う重い事業であり、バックアップケアなど拠点を持たないサービスと、収益構造や必要な投資が大きく異なります。新規事業で類似の型を検討する際は、どの部分に拠点・人員が必要かを分けて考える必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。