Block, Inc.
Squareの決済事業(加盟店向け決済処理)

国
米国
上場
ニューヨーク証券取引所 XYZ
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K

Squareを通じて小規模から中堅の店舗の対面・オンライン決済を処理し、決済のたびに処理手数料を受け取る米国企業の事例です。

事業の概要

Blockは、Squareと Cash Appの二つのエコシステムを運営する米国企業です。Form 10-K(FY2025、2025年12月期)によると、2025年にSquareのエコシステムでは450万以上の販売事業者が59億件の取引を行い、Square GPV(カードと銀行決済の処理金額、返金控除後)は2,500億ドルでした。これらの取引は8億枚以上の決済カード、3億以上の購入者プロフィールから生じたと記載されています。

同10-Kは、Squareが加盟店契約上の当事者(merchant of record)と決済サービス提供者を兼ね、販売事業者に資金を精算し、決済に伴うリスクも管理すると説明しています。

収益の仕組み

同10-Kによると、Squareは完了した決済ごとに決済処理手数料(payment processing fees)を得ており、これはCommerce Enablement(コマース支援)収益の大きな構成要素です。Cash Appの決済でも、手数料は取引金額に対する一定率と1件あたりの固定額で計算されると説明されています。

一方で原価も大きく、同社は、カード会社などに支払うインターチェンジ手数料・アセスメント手数料、処理手数料、銀行の精算手数料を原価に計上すると記載しています。同社は、カードブランドが手数料を引き上げる可能性があること、取得代行会社との有利な条件が一定の取引条件に左右されることをリスク要因として挙げています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。

  • 総決済処理金額(GPV、Square以外も含む):2,596億ドル(前年2,408億ドル)
  • 売上高合計:241億9,400万ドル。うちCommerce Enablement収益115億1,400万ドル(前年比10%増)
  • Square事業の純収益:84億5,200万ドル(前年比10%増)、売上総利益:39億3,500万ドル(同9%増)
  • Commerce Enablementの原価:53億5,300万ドル

同社は、Commerce Enablement収益の増加について、Squareの決済処理の増加(5億4,120万ドル増)がSquare GPVの10%増と同程度だったと説明しています。Square事業の売上総利益を純収益で割ると約46.6%になります(当サイトによる計算)。売上高の大きさに対して売上総利益が小さいのは、収入の相当部分をカード会社などへの手数料として支払っているためと読み取れます。

新規事業への示唆

決済を中心とする事業では、加盟店の取扱高が増えるほど収益が自動的に増える一方、原価として外部に支払う手数料が大きいため、取扱高と利益は別に見る必要があります。Blockは決済のほかにソフトウェアや金融サービスなどを同じ加盟店に提供しており、決済を入口にして他の収益源を重ねる設計が資料から読み取れます。新規事業で決済手数料を収益の柱に据える場合は、取扱高の規模、カード会社などへの支払原価、損失(不正やチャージバック)を分けて収支計画を作る必要があります。なお、BlockはCash Appのビットコイン関連の収益も大きく、全社の売上高だけでは決済事業の姿が見えにくい点に注意が必要です。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。