ベースフード株式会社
完全栄養食「BASE FOOD」の自社EC(定期購入)と卸売

国
日本
上場
東証グロース 2936
参照資料
2026年2月期 通期決算説明資料(2026年4月14日開示)

完全栄養食を自社ECの定期購入で直接販売し、売上の約3分の2を自社ECが占める一方、広告費が売上高の22.6%に上る日本企業の事例です。

事業の概要

ベースフードは、パン、焼きそば、ラーメンなどの完全栄養食「BASE FOOD」を企画・販売する会社です。2026年2月期通期決算説明資料(2026年4月14日)は、ミッションとして「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」を掲げています。

同資料は、売上を自社EC、卸(コンビニ、ドラッグストア、スーパーなど)、他社EC、海外に分けて開示しています。自社ECは主力チャネルと位置づけられ、卸は認知と自社ECへの流入導線として重要な役割を担うと記載されています。

収益の仕組み

同資料によると、2026年2月期の売上高151.9億円のうち、自社ECが100.3億円(前年比3.2%増)、卸が39.4億円(同11.6%減)、他社ECが9.5億円(同12.1%増)、海外が2.1億円(同18.8%増)です。自社ECの比率は、資料の数値から計算すると約66%です。

自社ECでは定期購入が基盤になっており、定期購入者数は23.5万人(前期末比1.8万人増)と記載されています。同資料は、解約率が過去最低、LTVが過去最高水準を更新したと説明しています。

一方、集客の費用は広告宣伝費として計上され、同資料では年間34.3億円(売上高比22.6%)と記載されています。同社は、広告市況の変化(CPA上昇)を受けて第2四半期から広告出稿を抑制したと説明しています。

公開資料から読み取れること

同資料の数値は次のとおりです。

  • 売上高:151.9億円(前年比0.3%減)
  • 売上総利益:86.0億円、利益率56.6%(前年は55.0%)
  • 営業利益:2.1億円(前年比59.3%増)、営業利益率1.4%
  • 広告宣伝費の四半期推移:第1四半期10.5億円、第2四半期9.0億円、第3四半期8.4億円、第4四半期6.3億円
  • 定期購入の解約理由:味・食感・飽き(商品要因)が40.9%

広告を絞ると売上が前年並みにとどまる一方、営業利益は黒字を確保しており、売上と広告費の関係が利益を左右していることが数字から読み取れます。同資料は、2027年2月期の売上高予想を162.5億円(前年比7.0%増)、営業利益予想を0.6億円としています。

新規事業への示唆

D2Cでは、粗利率が高くても、広告費と継続率で利益が決まります。ベースフードの資料では、広告費の抑制が売上に影響する一方、定期購入者の積み上がりとLTVの改善が成長の基盤として説明されています。

また、同社は自社ECの新規ユーザーの約59%が過去に小売店で購入経験があると記載しており、小売店での販売を、認知と自社ECへの送客の入口として使っています。直販だけで完結させず、他チャネルを集客の入り口にする設計が、広告費への依存を和らげる手段になりうることがうかがえます。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。