Axon Enterprise, Inc.
TASERやボディカメラと、クラウド型ソフトウェアの組み合わせ(Connected Devices/Software and Servicesセグメント)

国
米国
上場
NASDAQ AXON
参照資料
FY2025(2025年12月期)Form 10-K(2026年2月提出)

TASERやボディカメラなどの機器と、証拠管理などのクラウド型ソフトウェアを一体で提供し、年間経常収益が13億ドルに達したと記載する米国企業の事例です。

事業の概要

Axon Enterpriseは、Form 10-K(FY2025、2025年12月期)で、自社を「統合されたハードウェアとソフトウェアのソリューションを提供する技術企業」と説明しています。製品には、TASER(電気ショック型の非致死性武器)、カメラ・センサー、ドローンなどの機器と、クラウド型の証拠管理、記録管理、リアルタイム運用ソフトウェアなどが含まれます。

同10-Kによると、2025年に事業を2つの報告セグメントに再編しました。Connected Devicesは、TASER、ボディカメラ、車載・固定カメラ、ドローンなどの機器、アクセサリー、延長保証を扱います。Software and Servicesは、Axon EvidenceやDraft Oneなどのクラウド型SaaSと関連する専門サービスを扱います。

収益の仕組み

同10-Kは、収益源を「ハードウェアの販売、複数年にわたる継続的なソフトウェアのサブスクリプション、専門サービス、延長保証」の組み合わせと説明しています。顧客は機器とサービスをまとめて購入し、支払いを複数年に分けることを好む場合が多いと記載されています。

ソフトウェアはSaaSとして、ライセンス、プレミアム機能の採用、エコシステムの拡大によって収益が増えると説明されています。同社は、ソフトウェアが機器と深く統合されて年間経常収益(ARR)を生むとし、2025年12月31日時点のARRは13億ドルと記載しています。このARRは、ライセンス・統合・保証・ストレージの月次経常収益から算出したものと注記されています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。

  • 売上高:27億7,954万ドル(前年比33.5%増)
  • Connected Devices:15億7,686万ドル(売上の56.7%、29.1%増)。内訳はTASER 9億1,388万ドル、Personal Sensors(ボディカメラなど)3億9,704万ドル、Platform Solutions 2億6,595万ドル
  • Software and Services:12億267万ドル(売上の43.3%、39.6%増)
  • 粗利率:Connected Devices 48.7%、Software and Services 74.0%、全体59.7%
  • 残存履行義務(契約済みで今後認識される売上):約99億ドル
  • 営業損益:6,210万ドルの損失(前年は5,850万ドルの利益)

Software and Servicesの増加は、利用者数の増加と、既存顧客によるプレミアム機能の採用拡大が主因と説明されています。Personal Sensorsの増加には、新型ボディカメラの採用と、現場にある機器の増加による保証収益の増加が挙げられています。

新規事業への示唆

機器の売上は導入時に立ち、ソフトウェアの利用料は機器が使われる限り続きます。Axonの数字では、売上の約57%が機器、約43%がソフトウェアですが、粗利率はソフトウェアの方が25ポイント以上高く、機器が使われ続けることがソフトウェア収益の土台になる構造が読み取れます。

同社は機器とサービスを一括契約として複数年の支払いに分ける形も用意しています。IoT型の新規事業では、機器を売り切りにするか、サービス料に含めて分割するかで、初期の売上と資金繰りが変わります。機器の原価や関税の影響も10-Kで言及されており、機器側の採算管理も設計に含める必要があります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。