Arlo Technologies, Inc.
スマートセキュリティカメラと「Arlo Secure」などの有料サブスクリプション
- 国
- 米国
- 上場
- NYSE ARLO
- 参照資料
- FY2025(2025年12月期)Form 10-K(2026年2月提出)
Wi-Fiカメラなどの機器を販売して利用者を増やし、有料サブスクリプションの売上が売上全体の約6割に達したと記載する米国企業の事例です。
事業の概要
Arlo Technologiesは、Form 10-K(FY2025、2025年12月期)で、クラウド基盤、AIによる映像分析、アプリで操作する機器を組み合わせた、家庭・事業者・個人向けのセキュリティサービスを提供していると説明しています。2014年12月の最初の製品の発売以来、4,270万台超のスマートセキュリティ機器を出荷したと記載されています。
機器の製造はFoxconnなどのアジアの企業に委託し、設計は主に北米で行っていると説明されています。販売は小売店、卸売、通信事業者、セキュリティ事業者、自社の直販ストアなど、複数の経路で行われます。
収益の仕組み
同10-Kによると、収益は大きく、サブスクリプション・サービス売上と、機器(Products)売上に分かれます。サブスクリプションのArlo Secureは、AIによる検知、クラウドへの映像保存(60日分)、24時間の緊急通報などを提供し、1つのプランで家庭内の複数のカメラに対応すると説明されています。また、機器と24時間の監視サービスを初期費用なしの月額で提供する「Arlo Total Security」も紹介されています。
同社は、機器の販売価格を下げて販促を強化したことが、世帯の獲得とサブスクリプションの増加を促すためだったと説明しています。有料アカウントは、サブスクリプション等の継続的な料金が徴収されたアカウントと定義されています。
公開資料から読み取れること
Form 10-K(FY2025)の数値は次のとおりです。
- 売上高:5億2,930万ドル(前年比3.6%増)
- サブスクリプション・サービス売上:3億1,636万ドル(売上の59.8%、30.2%増)
- 機器売上:2億1,294万ドル(20.5%減)
- 累計の有料アカウント数:569万(23.7%増)、累計の登録アカウント数:1,214万
- ARR(年間経常収益):3億3,049万ドル(28.4%増)
- 粗利率:サブスクリプション・サービス83.5%、機器はマイナス14.6%、全体44.0%
- 営業損益:607万ドルの利益(前年は3,489万ドルの損失)
機器の粗利がマイナスになった理由として、同社は、販売価格の引き下げに加え、関税などによる運賃の増加を挙げ、関税費用は前年から1,350万ドル増えたと記載しています。
新規事業への示唆
Arloの数字では、機器の粗利が赤字でも、サブスクリプションの粗利率が80%を超えるため、全体の粗利益が増えています。機器をいかに多くの世帯に設置するか、設置後にどれだけ有料化するかが、このモデルの核になることが読み取れます。
一方で、機器は競合との価格競争や関税の影響を受けやすく、機器側の損失を何か月で回収できるかを見積もる必要があります。同社は、大手セキュリティ事業者との提携で有料アカウントの獲得経路を広げる方針も10-Kに記載しており、機器の販路と課金の入口を分けて設計する考え方が参考になります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。
