AI inside株式会社
AI-OCR「DX Suite」

国
日本
上場
東証グロース 4488
参照資料
第10期(2025年3月期)有価証券報告書、2026年3月期 決算説明資料(2026年5月)

AI-OCR「DX Suite」を月額固定費と読取り回数に応じた従量費用の組み合わせで提供し、売上の95%超を継続収益が占める日本企業の事例です。

事業の概要

AI insideは、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを使ったAI-OCRサービス「DX Suite」を提供しています。有価証券報告書(第10期、2025年3月期)によると、「DX Suite」には、帳票を読み取ってデータ化する「Intelligent OCR」と、複数種類の帳票を仕分ける「Elastic Sorter」があり、銀行、証券、保険、小売、物流、製造など業種を問わず導入されていると記載されています。パートナー経由の利用ライセンスは3,057件(前期2,790件)でした。

収益の仕組み

同報告書は、売上を、継続的に計上される「リカーリング型」と、取引ごとに計上される「セリング型」に分けて説明しています。「DX Suite」の料金は、月額固定費用、帳票をデータ化するリクエスト数(読取り回数)に応じた月額従量費用、初期費用で構成されるとされています。

監査報告書では、月額従量報酬は、月額固定報酬に含まれるリクエスト数の枠を超えたリクエスト数に、1リクエストあたりの単価を掛けて計算されると説明されています。収益認識の注記には、契約から生じる従量料金はサービス利用の従量に応じて収益を認識すると記載されています。基本料金に超過分の従量料金を加える形です。

公開資料から読み取れること

有価証券報告書(2025年3月期)の収益の内訳は次のとおりです。

  • 売上高:43億9,955万1,000円(リカーリング型41億8,878万8,000円、全体の95.2%)
  • リカーリング型の内訳:固定料金34億6,056万5,000円、従量料金6億4,648万4,000円(前期は5億4,382万1,000円)、その他8,173万8,000円

2026年3月期の決算説明資料(2026年5月)では、売上高は47億4,700万円(前期比107.9%)、リカーリング型売上は44億8,700万円、営業利益は3億1,000万円(前期3億8,500万円)と記載されています。DX SuiteとIntelligent OCRの契約数は3,203件、ユーザー数は7万7,975、解約率は0.66%です。

従量料金は、売上高の約15%(2025年3月期、数値から計算)にあたります。

新規事業への示唆

AI insideの例は、基本料金に一定量の枠を含め、枠を超えた分を従量で課金する二段階型の構成です。固定部分で売上の下限をつくり、従量部分で顧客の利用拡大を売上に取り込める点が、資料から読み取れます。一方、従量料金の請求は利用量の正確な計測に依存するため、監査報告書でも課金計算の正確性が重要な検討事項に挙げられています。従量課金を取り入れる際は、利用量を正しく数え、顧客に見える形で示す仕組みが事業の信頼性に直結することが分かります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。