Zen Habits翻訳:狼に追われるような恐れ――いつも遅れていて、間違ったことをして、何もかも台無しにしているという感覚
この記事は、ブログ「Zen Habits」の創設者レオ・バボータ(Leo Babauta)による記事「Wolves at Your Heels: The Fear That You're Always Behind, Doing the Wrong Thing, & Generally Screwing Things Up Royally」を、新規事業ポータルが独自に日本語へ訳したものです。Zen Habitsは著者によってパブリックドメインとして公開されています(著者による宣言)。原文はこちら。訳文では、原文の趣旨を変えないことを優先しました。記事末尾の告知部分は省略しました。
ある人と話をしたのですが、その人が自分の一番の問題をあまりに見事に言い表したので、私は思わず立ち止まり、息をのみました。
それは、人間というもののあり方を驚くほどよく表していました。
その人が口にしたことの一部です。
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最近、自分にひどく苛立っていて、涙をこらえていることがある。
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混乱していて、いろいろな方向に引っ張られている気がする。
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ただ、いつもこんなに怖がっていたくない。身動きがとれなくなっている。
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何が正しいことなのか? 自分は何をすべきなのか? そしてなぜそれができないのか? 自分は何を間違えているのか?
その人の言葉の中で、私が特に好きな部分がこれです。
「だから、たぶん私の一番の目標は、漠然とした恐怖やおびえ、パニックを感じずに生きることなんです。まるで狼の群れにかかとを追われているような、あるいは正しい選択をしなければならないのにどれも正しく思えない、変な脱出ゲームの部屋に閉じ込められているような感覚なしに」
どこか身に覚えはありませんか?
かかとに迫る、その狼たちについて話しましょう。
狼に追われている感覚
私たちの多くは、物事を間違ったやり方でしているのではないか、遅れているのではないか、何か別のことをするべきなのではないか、もっとうまくやるべきなのではないか、抱えているすべてを処理しきれないのではないか、という恐れとともに生きています。
この恐れは絶え間なく続き、とてつもないストレスになることがあります。
なぜ私たちは、この恐れとストレスを抱えるのでしょうか?
それは次のようなことから来ています。
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物事が今のあり方とは違ってほしいと望むこと(自分自身への、他人への、世界への期待)
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足場がない、不確かだという感覚が常にあること――そしてその足場のなさを望まず、確かさというしっかりした地面を望むこと
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上のような困難についての考えがぐるぐる回り、恐れと不安が高まって、絶え間ないストレスになること
全体として、自分自身や他人や世界に対する信頼が欠けていて、それが不安を引き起こしているのです。
私たちは自分で葛藤をつくり出しています。この足場のなさを望まず、答えを知りたいからです。自分は何をすべきなのか、正しいことを正しいときに正しいやり方でしているのか、自分は良い人間で、愛される価値があるのか。
こうした問いのどれにも、確かさを得ることはできません。正解がないからです。私たちは常に、不確かさと足場のなさを感じ続けるでしょう。
転換は、足場のなさに心を開き、物事が違ってほしいと求めるのをやめ、自分自身と周りの世界を無条件に愛することを学ぶところから生まれます。
足場のなさに心を開く
人生のこうしたことについて確かさを得られないのなら、どう向き合えばいいのでしょうか?
実践は、足場のなさとともに完全にここにいることです。意識を体へと落とし、不確かさ、恐れ、不安、ストレスの感覚とともにいましょう。この足場のなさの感覚とともに実践し始めるのです。
それに心を開きましょう。その中で力を抜きましょう。その感覚に、愛と優しさと思いやりを向けましょう。好奇心を持ってみましょう。
心を開けば、足場のなさの中にも美しさがあります。それは私たちの人生の多くの根底にある感覚です。揺らぎ、大きく開かれていること、流動的で固定されていないこと。そして、しばしば恐れが混じっていても、それはパニックになるようなものである必要はありません。恐れがあってもいいのです。ストレスがあってもいい。少しくらいパニックになってもいいのです。
実践とは、足場のなさの直接的な感覚に何度でも戻ってくることです。状況についてぐるぐる回るストーリーや考えから離れ、この瞬間の体の感覚へと降りていく。何度も何度も。
何度でも戻ってきて、心を開く。そうすれば、恋に落ちることができます。
物事のあり方に恋をする
私たちはこの足場のなさを望みません。すべてを処理できるかわからない、自分が十分かわからない、何に取り組むべきかわからない、という感覚です。
それが嫌なので、私たちの中に多くの困難が生まれます。緊張、抵抗、恐れ、不安が生まれるのです。
もし足場のなさを受け入れることに心を開き、誰にも何にも変わってもらう必要がなくなったらどうでしょう? 物事の今のあり方が、まさにそうあるべき姿だとしたら?
この瞬間の物事のあり方に、恋をすることができたらどうでしょう?
今すぐ試してみてください。自分が何に抵抗しているか、この瞬間の何を望んでいないかに気づいてみましょう。ストレスかもしれませんし、不確かさかもしれませんし、痛みや怒りかもしれません。
それに向き直り、心を開き、もしかしたらそれに感謝できるか試してみてください。それを少しでも愛せるか試してみてください。もしかしたら、たくさん愛せるかもしれません。
この瞬間に恋をしたら、どんな感じでしょうか? 多くの意味で、この瞬間は素晴らしいものです。光があり、命があり、空気があり、自然があり、美しさがあります。音があり、感覚があります。この宇宙という奇跡を目撃する機会があります。信じられないほど、本当に信じられないほど素晴らしいことです! このすべてを目撃していること、その一部であることに、私たちは喜びの涙を流すことができます。
ある意味では、ひどいものでもあります。悲劇、痛み、苦しみ、死、喪失、飢え、貧困、戦争があります。ひどいものです。それでも、そのすべての只中に……愛にあふれた心があります。私たちは喪失を、美しく愛にあふれた心で悲しみます。貧困の中でも驚くべき勇気をもってもがきます。こうした悲劇の只中にも、人間の回復力がたくさんあります。このひどさの只中にさえ、愛すべきものがたくさんあるのです。
心を開くことができれば、私たちはどんな瞬間にも恋をすることができます。
だから、これが実践です。ぐるぐる回る考えから離れ、この瞬間の足場のなさを直接経験するところへ降りていく。それに心を開く。この瞬間に恋をする。何度も何度も、実践しては失敗し、実践しては変わっていく。
どんな感じか確かめてみてください。かかとに迫っていた狼たちは、実は愛の嵐だったとわかるかもしれません。
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