Zen Habits翻訳:「すべてに向き合う」テクニック――困難を避けてもうまくいかない理由

この記事は、ブログ「Zen Habits」の創設者レオ・バボータ(Leo Babauta)による記事「The Face Everything Technique: Why Avoiding Difficulties Doesn't Work」を、新規事業ポータルが独自に日本語へ訳したものです。Zen Habitsは著者によってパブリックドメインとして公開されています(著者による宣言)。原文はこちら。訳文では、原文の趣旨を変えないことを優先しました。


私たちは誰もが、物事を避けることにかけては驚くほど長けています。

私たちの心は「考える機械」というより「避ける機械」です。そして驚くべきことに、私たちはふつう、何かについて考えるのを避けていることにすら気づいていません。

いくつか例を挙げましょう。

  • 今あなたはこの記事を読んでいますが、たぶん考えたくない難しいことを避けているのではないでしょうか。

  • 私たちは、向き合いたくない何かをするのを避けるために、メッセージやニュース、フィード、通知を絶えずチェックしています。

  • 人生で困難に直面すると、私たちは「(空欄を埋めてください)だから大丈夫」と自分に言い聞かせようとしたり、何かの活動や感覚を麻痺させるもの(アルコールなど)で忙しくしたりして、困難に向き合わずにすむようにします。

  • 問題が起きると、私たちの反応は、何か別のことをしに行きたい、あと回しにしたい、というものです。

  • 支払い、税金の手続き、長いメールへの対応、散らかったものの片づけを先延ばしにします。こうした困難に向き合いたくないからです。

  • 運動は不快なので先延ばしにします。

実際には、こうした例は毎日何千も起きていて、私たちはそれに気づきさえしません。心が別のことを考えるほうへ切り替わってしまうからです。

今すぐこれを試してみてください。1分間手を止めて、今自分が考えるのを避けている困難は何かを考えてみるのです。

あなたは気に入らない困難に気づくか、あるいは1分がたつ前に、心がさっさと別のことをし始めるかのどちらかでしょう。

今あなたがしたことは、私が「すべてに向き合う」テクニックと呼んでいるものの一部です……これについては、何もかも避けるのがなぜ効果のない戦略なのかを話したあとで、すぐに説明します。

回避はうまくいかない

私たちの心は、直面している不快さや痛みや困難から逃げたがります……これは、困難や痛みに一時的に対処しなくてすむためには、よい戦略です。ですから、その瞬間には一時的な安堵を感じるかもしれません。

でもそれは、私たちを逃げ続ける人生へと追いやります。気を散らし続け、自分を苦しめているものに決して向き合わない人生です。私たちは忙しくしてはいますが、自分の内にあるもの、目の前にあるものに対処することを決して学びません。

つまり私たちは、自分の恐れや不快さのなすがままになっているのです。きつい作業は一切したくないのに、最新のぴかぴかした楽しいものは欲しがる幼い子どものようなものです。

その結果、大切な仕事に取り組まなくなります(少なくとも、苦しくなり始めるまで先延ばしにします)。運動、健康的な食事、お金、散らかり、人間関係なども同じです。

結局のところ、私たちはたいていこうしたことに対処しなければならなくなりますが、そのときには事態はただ悪化しているだけです。それほど大ごとでなかった早い段階で向き合っておいたほうがよかったのです。

「すべてに向き合う」テクニック

このテクニックは、逃げる代わりに物事に気づき、大人として対処するほうがよい、という考えに基づいています。

そうすれば、どれもたいしたことではありません。

やり方は次のとおりです。

  • 「自分は今何をしているか?」と問うことで気づきを生む。一日を通して、「自分は今何をしているか?」と問うよう思い出させてくれるリマインダーを設定したり、小さなメモを貼ったりします。答えは「Facebookをチェックしている」とか「ブラウザの新しいタブに切り替えている」とか「ポテトチップスを食べている」かもしれません。そんなふうに単純でありふれたことでかまいません。とにかく自分が何をしているかを問い、気づきをもたらし始めるのです。

  • 次に、「自分は何を避けているか?」と問う。物事が難しくなったり不快になったりすると、私たちは自動的に別のことに切り替えます。逃げるのです。猛烈に避けます。あなたは一日じゅうそれをしていますが、気づいていません。何を避けているのかを問いましょう。何かの恐れ、何かの難しいタスク、何かのつらい感情、何かの不快さ、それとも単に今この瞬間にとどまることでしょうか?避けているものに名前をつけます。

  • そして、それに向き合う。今この瞬間に、その恐れ、不快さ、困難とただ一緒にいます。頭のなかで自分に語っているそれについての物語ではなく、今この瞬間の体に実際にある身体的な感覚と一緒にいるのです。どのくらいひどいでしょうか?たいしたことはない、とわかるはずです。もう少しだけそれと一緒にいましょう。そして、さらにもう少し。自分に挑戦してみてください。

  • 適切な行動をとる。それに向き合い、たいしたことではないとわかったので、幼い子どもではなく大人として振る舞えます。今何がいちばんよい行動かを決められるのです。何かのタスクをするのが怖かったけれど、それに向き合い、その恐れがたいしたことではないとわかったなら……そのタスクは自分と他人のためになり、自分のちっぽけな恐れよりずっと大切なのだと自分に思い出させることができます。腹が立っていて誰かとの難しい会話を避けているなら、その怒りや不快感はたいしたことではないとわかり、共感と思いやりをもって、落ち着いて適切にその人と話し、解決策を見つけることができます。

もちろん、この方法を使えばすべての問題が消えてなくなるわけではありません。でも、この方法を練習するにつれて、ずっと多くのことに向き合えるようになると断言できます。ほとんどの人のように不快さから逃げるのではなく、不快さに対処するのがうまくなります。先延ばしをせず、不快なタスクをこなすのがうまくなります。いつも気晴らしを必要とするのではなく、今この瞬間にもっと存在し、進んでその瞬間にとどまれるようになります。一晩でではなく、練習によって。

この記事を読み流して、このテクニックの練習を避けたい衝動にかられるかもしれません。それもまた回避です。どうか、この瞬間にそれに向き合ってください。

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